筋トレを進める方法は、大きく2つに分けられます。
- 分割法:部位を分割して鍛える
- 全身法:分割せず、全身を鍛える
筋トレに慣れてきて、情報収集をしていると、「どうやら他の人は部位を分割して鍛えている」と知ることになるでしょう。
ではなぜ、分割をするのでしょうか?
この記事では、分割法と全身法、それぞれのメリット・デメリットを解説し、筋トレ初心者はどのような流れで筋トレを習得していくべきか、についてお話します。
マックス
部位で分ける分割法と、全身を鍛える全身法
月曜日は胸、火曜日は背中、水曜日は肩など、日ごとに鍛え分ける方法を筋トレの世界では「分割法」と呼びます。おもにボディビルダーが採用します。
逆に、分割をしない場合は、月曜日に全身、水曜日に全身、土曜日に全身などと、全身を鍛えるルーティンになります。「全身法」や「フルボディワークアウト」と呼ばれます。
分割法か、全身法か、メリットとデメリット
分割法と、全身を鍛える方法のメリット・デメリットをそれぞれ紹介します。
分割して鍛える場合のメリット・デメリット
分割法のメリット
- 特に発達させたい部位を鍛えることができる
- 1回の筋トレ時間が短い
- 疲労度が少ない
- 次の部位を鍛えるまでにしっかり回復させられる
・部位ごとに鍛えられる
なぜ多くのボディビルダーが分割法を採用するかというと、各部位を究極にまで発達させたいから。広い範囲を鍛えるコンパウンド種目だけではなく、細かい部位を鍛えるアイソレーション種目も取り入れるため、たくさんのトレーニング量が必要になる
・疲労度が少ない
長くても脚トレで2時間、短ければ腕トレで30分くらいで終わるのでタイムマネジメントがやりやすい。脚や背中トレは疲れるが、それ以外では体力的にもきつくない
・部位を回復させられる
一度のトレーニング量が多いため、そのぶんある程度の回復期間が必要になる。分割法なら、その部位を回復させている間に他の部位を刺激できるので、効率が良い
分割法のデメリット
- 全身ワークアウトよりカロリー消費量は少ない
- 筋トレルーティンを守る必要がある
- ひとつの部位を刺激する頻度が減る
・カロリー消費量が少ない
部位ごとで鍛えるため、全身トレーニングに比べるとカロリーの消費量は少なくなる
・ワークアウトの順番を守る必要がある
「おととい胸の筋トレをしたけど、今日も胸やりたいなぁ」というときでも、分割法的にその日が脚なら脚をやらなければならない。全身なら、週に2〜3回は同じ部位を鍛えることができる
・ひとつの部位を刺激する頻度が減る
分割法だと、一つの部位を鍛えるのは週に1回〜2回。一見問題ないように思えるが、発達しにくい部位はさらにトレーニング量や頻度を増やしたほうがいいケースもあり、苦手な部位の発達が他の部位よりも遅れる可能性がある
全身ワークアウトのメリット・デメリット
全身法のメリット
- 筋肉をバランスよく鍛えられる
- ワークアウトを逃しても精神的負担が少ない
- 消費カロリーが増える
・筋肉をバランスよく鍛えられる
一度に全身を鍛えるので、どこかひとつの部位に偏ることがない。全身をバランスよく鍛えることができる。アスリートが採用する場合が多い
・ ワークアウトを逃しても精神的負担が少ない
「今日は仕事が遅くなったからジムに行けなかった」という場合でも、全身法では毎回同じ部位を鍛えるのであまり落ち込まなくて済む
・消費カロリーが増える
全身トレーニングは消費カロリーがどっと増える。実際にやってみるとわかるがお腹がとても空くようになる。減量時にはとても有効
全身法のデメリット
- ひとつの部位のトレーニング量が少ない
- 全身トレーニングは疲れる
- 時間がかかる
・ひとつの部位のトレーニング量が少ない
毎回のトレーニングで全身を鍛えるため、どうしてもひとつの部位への刺激は減る。コンパウンド種目がメインになるので、アイソレーション種目が減る
・全身トレーニングは疲れる
やってみるとわかるが、週3日、全身のトレーニングは体力的にかなりキツイ。トレーニング量を調整すればいいが、少なすぎてもいけない。全身トレーニングを終えると「ああ、がっつりやったな」という感覚が分割法より強い。そのぶん、カロリー消費量は多いのでダイエット時には有効
・時間がかかる
コンパウンド種目が多めで、休憩時間も長くなるため、全身法は時間がかかる。種目数やセット数、休憩時間を調整すれば時間は短縮できるものの、ある程度の時間は確保しなければならない
筋トレ初心者はどう分割をすればいい?
筋トレ初心者の場合は、次のような流れで筋トレの習得をおすすめします。
- まずはマシンで体の動きを覚える
- BIG3を中心にトレーニングをする全身法を活用
- 慣れてきたら分割法でより細かく各部位を鍛える
・完全初心者はまずマシントレーニングをフル活用
筋トレをやったことがない、自分がちゃんと筋肉を刺激できているか自信がない場合、まずはマシンでトレーニングすることをおすすめする。最近のマシンは非常に優秀なため、だいたいの人にとって「正解の動き」をガイドしてくれる。期間は1ヶ月で十分
・マシンに慣れたらBIG3に挑戦
マシントレーニングに慣れたら、筋トレ種目のBIG3と呼ばれる、スクワット、ベンチプレス、デッドリフトに挑戦する。週2〜3日、BIG3だけを練習する時間を作る。その際は、適切な知識と経験があるトレーナーに指導をしてもらうのが理想。1番ダメなのは、筋トレをかじった程度の初心者に教えてもらったり、そういった人が配信するYouTube動画を参考にすること。経験上、BIG3で悪い癖がついたら後で直すのはかなり大変。BIG3のプロであるパワーリフティング選手に指導をお願いするのが非常におすすめ。大阪なら「ヤスキジム」がいい
関連:ベンチプレス元日本、アジア王者「山下保樹選手」の指導を受けたらベンチプレスの苦手意識がなくなった
・分割法でさらに細かく鍛え分ける
BIG3のフォームを習得したら、次は分割法をして各部位をまんべんなく鍛える。分割法の種類は次の項を参考にしてほしい
筋トレ分割の種類
筋トレの分割を組むときは、基本的に1週間単位で考えます。
分割方法は人によって様々。週2回と初心者向けの分割、週5〜7日というエクストリームタイプまで、人の数だけ分割があります。まず、自分がどれだけ筋トレ日数を確保できるかで決めましょう。
2分割例
- 月:胸、肩、上腕三頭筋
- 木:背中、上腕二頭筋、脚
3分割例
- 月:胸、肩、上腕三頭筋
- 水:脚
- 金:背中、上腕二頭筋
4分割例
- 月:胸、肩、上腕三頭筋
- 火:背中、上腕二頭筋、脚
- 木:胸、肩、上腕三頭筋
- 金:背中、上腕二頭筋、脚
5分割例
- 月:胸
- 火:脚
- 水:背中
- 木:肩
- 金:腕
6分割例
- 月、金:胸、肩、上腕三頭筋
- 火、土:脚
- 水、日:背中、上腕二頭筋
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初心者の場合、週4〜7日はやり過ぎです。
まずは週2〜3日から始めて、徐々に増やしていきましょう。
なお、「ビーチで映えるマッチョになりたい」「スーツが似合う体つきになりたい」という理由で筋トレをするなら、週3日もすれば十分すぎるほどかっこいい体になれます。大切なのは、自分のペースでいいから長く続けることです。