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デッドリフトとルーマニアンデッドリフトの違い。動きの意識がポイント

「デッドリフト」と「ルーマニアンデッドリフト」

動きは非常によく似ていますが、刺激される筋肉や、動きの意識が異なります。

この記事ではそれぞれの種目の違いを細かく解説していきます!

違いをざっくり解説

ざっくり言うと、「デッドリフト(DL)」「ルーマニアン・デッドリフト(RDL)」には、次のような違いがあります。

DL RDL
主に使う筋肉 脊柱起立筋、広背筋、僧帽筋、大殿筋、ハムストリングス 臀部、ハムストリングス
種目タイプ 全身の筋力・瞬発力向上 ストレッチ種目
意識する動き 上下(立ち上がる、しゃがむ) 腰を前後に動かす
ルーティン 多くの場合、背中の日 脚の日

これらを踏まえた上で、動きを見てみましょう。

デッドリフト(正確には少し違うのですが、フォームがキレイなため選定しました)

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ルーマニアン・デッドリフト(こちらもフォームがキレイです)

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違いその1)刺激する筋肉の部位が違う

まず、刺激される部位がそれぞれ違います。デッドリフトでは「背面すべての筋肉」を使い、ルーマニアン・デッドリフトでは「お尻と太もも裏の筋肉」を主に使います。

デッドリフトの場合:背面すべての筋肉を使う

デッドリフトではどこか一つの部位を刺激するのではなく、背中側の筋肉をほぼすべて使い、バーベルを持ち上げます。

主に鍛えられる部位
  • 脊柱起立筋
  • 広背筋、大円筋
  • 僧帽筋
  • 臀筋(お尻)
  • ハムストリングス(太もも裏)

背中の筋肉すべてと、下半身の裏側ってことですね。ちなみに、解剖学用語では、お尻を「臀筋(でんきん)」、太ももの裏のことを「ハムストリングス」と呼びます。

デッドリフトでは、「全身の筋力アップや瞬発力向上」「背中の筋肉の筋量を増やす」といった効果が期待できます。

関連:どんな身体になれるのか?デッドリフトで得られる9つの効果

マックス

ちなみに、背面の筋肉すべてを「ポステリア・チェーン(Posterior Chain)」と呼ぶぞ。

ルーマニアン・デッドリフト:お尻と太もも裏がメイン

ルーマニアン・デッドリフトでは、主に「お尻」と「太ももの裏」が鍛えられます。男性であれば「走る・飛ぶ」などの能力向上、女性であれば「たるんだお尻や太もものシェイプアップ」に繋がります。

主に鍛えられる部位
  • 臀筋(お尻)
  • ハムストリングス(太もも裏)

筋トレマニアの方のために、もうちょっと詳しくお話ししましょう。
ハムストリングスは、大きく4つの筋肉に分けられます。

ハムストリングス
  • 半腱様筋(はんけんようきん)
  • 半膜様筋(はんまくようきん)
  • 大腿二頭筋長頭(だいたいにとうきんちょうとう)
  • 大腿二頭筋短頭(だいたいにとうきんたんとう)

ハムストリングスは主に4つに分けられる

とある研究によると、「ルーマニアン・デッドリフトをした時、半腱様筋がハムストリングスの中で最も作用した」ということが分かっています(参考

また、同研究によると「大腿二頭筋は、レッグカールをすることによって最も作用した」ということも明らかになりました。
(※長頭・短頭含む)

つまり、ハムストリングスを効率的に鍛えたいなら、「ルーマニアン・デッドリフト」と「レッグカール」をメニューに入れたほうがいいということですね。

両種目の共通点(超マニア向け)

両エクササイズに共通するのは、「大腿二頭筋の短頭を鍛えるのには適切ではない」という点です。

というのも大腿二頭筋の短頭は、膝を曲げることで収縮されるからです。

デッドリフトとルーマニアン・デッドリフトでは、膝は軽くしか曲がっていないため、大腿二頭筋短頭が最大に発揮される条件ではありません。
よって、シーテッドレッグカールや、プローンレッグカールなどで補助的に鍛えることをお勧めします。

ポイント
  • デッドリフト:体の背面全てを鍛えることができる。筋力や瞬発力の向上や全身の筋力アップが期待できる
  • ルーマニアン・デッドリフト:お尻と太ももの裏を集中して鍛えることができる。スポーツに必要な走る能力を鍛えることができる
  • 大腿二頭筋の短頭はレッグカール等で補助トレすべし

違いその2)動きの意識が違う

デッドリフトとルーマニアンデッドリフト動きはそれぞれ非常に似ていますが、「動かす意識」が違います。

デッドリフトは「上下の動き」、ルーマニアン・デッドリフトは「腰の前後の動き」と考えればわかりやすいかもしれません。

デッドリフト

バーベルを「引く」というよりは、バーベルを持って「立ち上がる」という、上下の動きを意識をします。

詳しい方法は、デッドリフトの解説記事に書いています。

関連:【初心者向け】ケガをしないデッドリフトの正しいフォーム、方法を解説

ルーマニアンデッドリフト

ルーマニアンデッドリフトでは、腰(股関節)を前後に動かす意識をします。

動きだけを見ると、バーベルを上下させているように見えますが(実際そうなんですが)、正しくは腰を前後に押し引きするイメージをするといいでしょう。

実際の動き

バーベルを持ったら、まず腰を真後ろに引きます。その時に、お尻や太もも裏の筋肉がピンと伸びている感覚を得られたらOKです。

それらの筋肉が伸びた感覚を得たら、次は腰を前方に突き出すイメージで動かします。腰を大きく反らすと腰に負担がかかるので注意です。

ポイント
  • デッドリフト:縦運動の意識をする
  • ルーマニアンデッドリフト:前後運動の意識をする

それぞれどんな場合に行うべきか

目的にもよりますが、スポーツのための筋トレを考えているのであれば両方のエクササイズを行うといいでしょう。

ただ、ルーマニアン・デッドリフトは動きのコツを掴むのが難しいため、筋トレ初心者や女性などは無理に採用しなくても大丈夫です。

デッドリフトをするだけでもお尻や太もも裏は十分に鍛えられます。筋トレに慣れてきて、下半身を重点的にシェイプアップしたいときにチャレンジしてみましょう。

ルーティンへの組み込み方

基本的には、デッドリフトは「背中の日」に、ルーマニアン・デッドリフトは「脚の日」に振り分けます。

  • DL:背中の日
  • RDL:脚の日

なお、デッドリフトとルーマニアンデッドリフトは同じ週に行わない方がいいかもしれません。

というのも、どちらの種目もハムストリングスと臀部に強い負荷がかかります。そのため、次のトレーニングまで、回復が間に合わないことがあります。

筋トレの鉄則でもありますが、「鍛える部位は9割以上回復させること」が大切。
筋肉痛が強い時や、筋肉痛がなくても疲労が溜まっている状態で筋トレをしても逆効果です。

ではどうするか。

以下の対策が考えられます。

  • 同じ日にデッドリフトとルーマニアン・デッドリフトをしない
  • どちらか一方の種目を行い、筋肉痛がある場合は回復を待つ
  • どちらもやりたい場合は、セット数を減らす

なお、どちらも腰に負担がかかる種目ですので、同日に両方の種目はしないようにしましょう。

まとめ

DL RDL
主に使う筋肉 脊柱起立筋、広背筋、僧帽筋、大殿筋、ハムストリングス 臀部、ハムストリングス
種目タイプ 全身の筋力・瞬発力向上 ストレッチ種目
意識する動き 上下(立ち上がる、しゃがむ) 腰を前後に動かす
ルーティン 多くの場合、背中の日 脚の日

わからないことがあれば、当サイトの公式ツイッターまでご連絡くださいね!

どちらの種目も下半身を非常に強化できるので、ぜひ取り入れてみてください。

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