メンズフィジーク選手「ブランドン・ヘンドリクソン」による、胸の上部にフォーカスしたトレーニングを紹介します。
ブランドンは、2018年のアーノルドクラシックで3位に入賞するほどの実力者です。
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大胸筋のトレーニングに様々な工夫を取り入れており、大胸筋が苦手な人にとっては、きっと参考になるでしょう。
1、シングルアーム・ハンマーストレングス・プレス
胸の上部内側をパンプさせるトレーニングからスタート。
トレーニングの最初に、苦手な部位を弱い負荷で刺激することで、この後のエクササイズでも大胸筋に刺激を与えやすくなります。大胸筋に限らず、どの部位のトレーニングでも有効なテクニックだといえます。
もし、あなたが通うジムに同様のハンマープレスマシンがあるなら試してみてください。私が入っているジムにも同様のマシンがあり、同様のエクササイズを初めに行っています。
このタイプのマシンがない場合、ケーブルクロスオーバー、ペックデックなどでも代替できます。
ただ、負荷が弱いため、あくまでも軽くパンプさせる程度に留めておくようにしたほうがいいかもしれません。
「予備疲労法はあまり効果がないのでは?」という声がありますが、個人的にはウォームアップとしてこの種目を採用しており、疲労させるまではおこないません。具体的には、1RMの50%ほどの重量を使用し、追い込まずに12〜15レップスあたりを狙います。
2、マシン・インクラインプレス
肘を体の横に固定し、親指が上になる「パラレルグリップ」で握っています。ナロープレスのような形になっていますね。
腕の軌道が、脇腹から半円を描いて前方に上がるようになっているため、肩関節の「屈曲動作」が強調されます。よって、胸の中央部よりやや上あたりを刺激しているように見受けられます。
トレーニングの教科書には載らない、ボディビル的なフォームだと感じます。
教科書的なフォームではありませんが、正しいフォームが必ずしも万人に効くとは限りません。色々なフォームを参考にして、自分に効くフォームを実践していけば良いと思います。
なお、上腕三頭筋の屈曲と伸展動作が大きくなるため、三頭筋にも刺激が入ることは覚悟した方がいいかもしれません。
3、ケーブルフライ
アメリカのタンパ大学で実験を行ったところ、肘だけで引く意識をすると、大胸筋が最も収縮したとのこと。
胸を張っているのはもちろんですが、小指側を内側にして引いている点にも注目です。こうすることで、大胸筋の収縮感がギュッと高まります。
- 胸を張っている
- 腕を少し外旋している
- 軽く顎を上げている
マックス
4、【スーパーセット】インクライン・ダンベルフライ/ダンベル・アンダーハンドレイズ
インクラインのダンベルフライをおこなった後、すぐに立ち、手のひらを上に向けてダンベルのフロントレイズをおこなっています。
- 親指側にダンベルを詰めて持っている
- 腕を少し内旋している
- 親指同士をくっつけるようなイメージ
- 胸を張り続けている
アンダーハンドレイズは試しにやってみましたが、肩の前部分(三角筋前部)に強い負荷がかかりました。大胸筋上部を上手にアイソレートしなければならないため、少し難易度が高いかもしれません。
個人的には、ダンベルを身体の前でくっつけて、そのまま上下させるタイプの「ダンベル・スクイーズプレス」がおすすめです。大胸筋上部に強い収縮感を感じることができます。
5、ペックデック
ブランドンいわく、「手はほとんど使っておらず、 肘だけで寄せているイメージ」とのこと。たしかに、手でグリップを強く握ってしまうと、肩の前部に刺激が入りやすくなります。
個人的には、腕を外旋して、手のひらが上を向くような形でペックデックをおこなうと、大胸筋に強い収縮がかかります。ぜひ試してください。
6、ダンベルプルオーバー
「おでこからヘソ上まで」という軌道でおこなう、少し独特なフォームのダンベルプルオーバーです。
ブランドンが気をつけているのは、「ダンベルはおでこより下げない(下げると背中に効くため)」とのこと。
マックス
プレス系種目が苦手なら試してみたいルーティン
- シングルアーム・ハンマーストレングス・プレス
3セット、12レップス - マイン・インクラインプレス
3セット、12レップス - ケーブルフライ
3セット、15レップス - スーパーセット:インクライン・ダンベルフライ/ダンベル・アンダーハンドプレス
3セット、各10レップス - ペックデック
3セット、12レップス - ダンベルプルオーバー
3セット、12レップス
ご覧のとおり、プレス系種目はマシンプレスの1つだけ。さらにそのプレス系種目も変則的なフォームです。
ブランドンいわく、バーベルやダンベルなどのコンパウンド種目はあまりせず、ケーブルやマシン系の種目が多めとのこと。理由は、「フィジーク競技のためにそこまで大きくならないように気をつけている」からだそう…。
マックス
なお、「ベンチプレスはどれだけやっても苦手」という人は、ベンチプレスを捨ててみるというのも1つの手です。詳しくは、以下の記事をご覧ください。