以前、フィジークチャンピオンで「ジェレミーブエンディア」のトレーニングプログラムについて書きました。
ジェレミーブエンディアのコーチ「ハニーランボッド」が作ったFST−7トレーニングプログラム(バルクアップ編)
筋肉を落とさず脂肪を落とす!「ジェレミーブエンディア」の減量トレーニングプログラム
実際に試し、大きな効果を得られたのは嬉しいのですが、ハード過ぎて関節の痛みがひどいことに・・・。
「このままいったらマズい」
と直感し、回復を促進するトレーニングプログラムに切り替えることにしました。
今回は、回復期のトレーニングについて、具体的な方法とメリットを紹介します。
ほぼ全身に痛みがある状況
今の私は、ほぼ全身に痛みがある状態です。とはいえ、どれも生活に支障が出るレベルではありません。
少しだけ痛いので、なんとかトレーニングできてしまうという、もっともタチの悪い痛みです・・。
私は手首や肩を痛めることは少ないのですが、それ以外の部位はかなりキテいます。
- 右内側くるぶし
- 右肘
- 左膝
- 腰
- 首
長年トレーニングしている人なら、これくらいの痛みは普通にあると思います。
痛みをだましだましトレーニングしてきましたが、一旦リセットするため、回復期を取り入れることにしました。
ピリオダイゼーションの回復期
トレーニングプログラムの作り方の基本的な考えとして、「筋肉への刺激を定期的に変える」という考えがあります。
筋肉に同じ刺激を与え続けると、筋肉が刺激に慣れてしまうため、反応(発達)しにくくなります。そのため、一定期間でトレーニングを変更するのです。
これを「ピリオダイゼーション(期分け)」といいます。
ピリオダイゼーションといっても種類があるのですが、次の分け方がもっとも一般的です。
- 筋肥大期
- 筋力アップ期
- 回復期
ここでは回復期にフォーカスしてお話します。
回復期のトレーニング方法「追い込まない」
回復期のトレーニングでは、限界まで追い込むことはしません。むしろ、追い込んではいけません。
あくまで目的は「回復」です。
筋肉や関節への負荷を減らし、次のサイクルへはずみをつけるための期間と捉えます。
具体的なトレーニング内容はこちら。
- レップ数は20以上、各2〜3セット
- マシンやケーブルをメインで使用
- 痛む種目はやらない
- 有酸素運動をする
- 2〜3週間続ける
トレーニング強度を落とす
通っているジムにマシンやケーブルが豊富にない場合、軽いフリーウェイトを使用します。
いつも使用している重量を半分くらいまで落とすのが目安です。
今までやってこなかった種目、苦手な種目に挑戦するのもいいですね。
ベンチプレス・デッドリフト・スクワットなど、痛みを抱えながらこなしている種目はやらないようにしましょう。
注意しておくべきなのは、回復期だからといって、手を抜くわけではないということ。通常のトレーニングと同様、1レップごとに集中しておこないます。
すべてのセットで「あと3〜4レップはできるかな」というポイントで止め、やり過ぎないようにします。
軽い有酸素運動をする
回復期では、有酸素運動をして血流量を増やし、回復を促進させます。
週に2〜3回、各15分を目安におこないましょう。
有酸素運動の種類は何でもOK。
(私はジムでテレビを見ながらバイクを漕いでいます)
なお、有酸素運動の強度は以下の計算で求めます。
計算が面倒な人は、「軽く息が上がるくらい」を目安にすれば良いでしょう。
サプリメントを減らす
回復期のトレーニングはあまりハードではないので、あまり多くのサプリメントを取る必要はありません。
とはいえ、先ほども言ったように手を抜くわけではなく、ある程度の刺激は筋肉に与えることになります。
筋肉の分解を防ぐために、トレーニング中のBCAAだけは摂取しておきましょう。
(食間のプロテインもOK)
パワーを発揮するためのクレアチンや、集中力を高めるプレワークアウトサプリは取らなくてもいいと思います。
非公開: クレアチンのおすすめの飲み方・摂取量・タイミングをストーリー形式で解説
回復期トレーニングを取り入れるメリット
私自身、回復期に入ってまだ1週間ですが、すでに多くのメリットを感じています。
体調が良くなる
追い込まないトレーニングをするので、当たり前かもしれませんが、体がとても楽になりました。
睡眠が深くなり、朝起きたときの体の重さがなくなったことには驚きです。
体調が良いと集中力が増すので、仕事にも精が出ます。
今まで、意識せずにけっこうな無理をしていたのかも・・。
楽しんでトレーニングできる
回復期の今は、トレーニングを遊びのように楽しんでいます。
トレーニングを始めた頃の純粋な「筋トレって楽しい!」という少年の心を取り戻した感じ(笑)
もちろん、トレーニングは大好きなので、がっつり追い込むのも私にとっては遊び。
ただ、気合を入れるため、メンタル・フィジカルともに疲労が大きいです。
特にハードな脚トレは、吐き気や痛みを抱えながらやっているので、「俺はなんのためにやってるんだ?」と自問自答することもしばしば…。
今では気持ちよくトレーニングして、気持ちよくジムを後にしています。
トレーニングの再発見:レンジの見直し
これは嬉しい副次効果でした。
扱う重量を減らすので、自然とレンジが広くなります。
レンジ(range)とは、ウェイトを動かす範囲のこと。例えばスクワットなら、下までしゃがむと「フルレンジ」、途中までだと「ハーフレンジ」と呼ばれます。
基本的にフルレンジのほうが筋肉への刺激が大きく、「フルレンジでトレーニングしないと意味がない」と言う人もいるほど、レンジを取ることは大切です。
今回、レンジが広くなったことで、自分がいかに重量を優先して、レンジを狭めてしまっていたのかもわかりました。
「より大きく」を目指して重たいウェイトを扱っていましたが、レンジが短かすぎては意味がありませんからね・・・。
追い込まないぶん、自分を客観視でき、改善点の発見につながる。いつも余裕がないトレーニングをしていたのかと思うと反省です。
トレーニングの具体例
回復期に入るにあたり、トレーニング内容を変えました。
今のルーティンはこのとおり
- 胸/肩前部・中部
- 背中/肩後部
- オフ
- 腕
- 脚
- オフ
ちなみに、以前のルーティンはこちら
- 胸/上腕二頭筋
- 背中
- オフ
- 脚/腹筋
- 肩/上腕三頭筋
- オフ
肩の日を分解して、胸と背中の日にそれぞれ振り分けています。
このルーティンを作るにあたっては、ボディビルダーの山本義徳氏の「山本義徳 筋肥大・筋力向上のプログラミング」を参考にさせていただきました。
効果的に筋肥大をするための多くの示唆が得られるので、非常にオススメです。
なお、これから紹介するトレーニング種目は自分で考えて作成しています。
胸/肩前部・中部
- ベンチプレス
- ペックデック
- ケーブルクロスオーバー
- マシンチェストプレス
- ケーブル フロントレイズ
- アップライトロー
- ケーブル サイドレイズ
- ダンベル サイドレイズ
ベンチプレスをやってはいますが、重量は60kgくらいしか扱いません。フォームを再確認したり、いつもと違うフォームを試してみたりしています。
背中/肩後部
- デッドリフト
- HAM DYロー
- ロープーリーロー
- ケーブルプルオーバー
- フェイスプル
- マシンロー
- リバースペックデック
※HAM=ハンマーストレングスマシン
ベンチプレスと同様、デッドリフト(フル)も60kgしか使用せず、フォームを確認する程度です。
腕
- コンセントレーションカール
- ダンベル オーバーヘッドエクステンション
- スパイダーカール
- ダンベル キックバック
- ケーブルカール
- ケーブル フレンチプレス
- ハイケーブルカール
- ケーブル トライセプスエクステンション
種目が多いですが、追い込まないので、パンプを溜めて遊ぶようなトレーニングになっています。
脚/カーフ
- レッグエクステンション
- レッグカール
- レッグプレス ナロースタンス
- レッグプレス ワイドスタンス
- ケーブル ヒップエクステンション
- ダンベルランジ
- インナーサイ
- アウターサイ
- バックエクステンション
- カーフレイズ
普段はスクワットから始めますが、腰が痛むのでナシ。
ハイレップかつ追い込まないので、ついつい「もうちょっとやりたい」と欲が出て種目が多くなってしまいます。本来ならもっと種目は少なくてもいいと思います。
追い込まない脚トレが、こんなにも楽しいなんて…(笑)
- レップ数:20〜40
- セット数:各種目3セット
まとめ
今まで回復の大切さは理解していたものの、成長を優先して回復期を作るのを避けていました。今回、実際にやってみてそのメリットに驚いています。
「気持ちが途切れないように、オンとオフのトレーニングにメリハリはつけない」という人もいます。
ですが、私には回復期を取り入れて正解でした。
今まで5〜6年ほど、ずーっとがっつりトレーニングしてきましたが、これからは回復トレーニングも取り入れていこうと思います。
筋肉なら壊れても修正できますが、関節は1度壊したら2度と元には戻りません。
ヘルニアを発祥している経験があるので、その辛さは見に染みています…。
それにしても、こんなに楽しいならずっと回復期でいたい(笑)