筋トレの分割(ルーティン)を作るときに注意する点を紹介します。
自分でトレーニング分割を作ってみたい、カスタマイズして自分が目指す体になりたい、というちょっとマニアックな人向けの内容です。
基本の流れ
特にこれといった正解はないが、この流れでおこなうと効率が良いのでおすすめです。
1.週に何日筋トレするか決める
そもそも、自分が何日筋トレできるのかを決めましょう。3日、4日、5日、何日でもOKです。
2.自分が特に強化したい部位を決める
次に、自分が特に発達させたい部位を決めます。胸、背中、脚、肩、腕などですね。
・弱点が特にない場合
弱点部位が特にない、そこまで考えていない場合は、自分でイチから考えるよりは、いろんなサンプルルーティンを見てよさげな分割を選ぶのをおすすめします
・脚以外を強化したい
弱点部位を強化したい場合は、週に2〜3回鍛えます。
・脚を強化したい
脚が弱点だったり、特に強化したい場合、脚の筋肉を前と後ろで分けるのがおすすめ。つまり、前側(大腿四頭筋)と、後ろ側(ハムストリングスやふくらはぎ)で分けて鍛えます。ただし、最初は練習が必要です。
関連:脚を大腿四頭筋とハムストリングスに分けてトレーニングするメリット、方法
3.弱点部位を決めたら部位を振り分ける
(※特に発達させたい部位がない場合はスルーしてください)
たとえば、胸を特に強化したい部位だとして、週に2回鍛えるとします。この場合、中3〜4日の休みを設定してまた鍛える流れになります。
・サンプルルーティン
- 胸(弱点)
- 背中
- オフ
- 脚
- 胸(弱点)、肩
- オフ
- オフ or 背中
週の初めに弱点部位を鍛えることで、週後半に鍛える日を作ることができます。
・強化部位はトレーニング量を増やす
なぜ発達しにくいのか、3つの原因が考えられます。
- 刺激がうまく入っていない
- 刺激が足りない
- 刺激が多すぎる
多くの場合、1と2が原因です。トレーニングが下手で、刺激が入っていない。だから、刺激が足りないのです。
たとえば、私の場合はバーベルベンチプレスが下手で、いくらやっても大胸筋が大きくならなかったのですが、ダンベルフライを多めにやると発達し始めました。「刺激が多すぎる」は超上級者の場合が陥る罠ですので、ほとんどの人はトレーニング量を増やすといいでしょう。
マックス
オフ(休養日)の入れ方
鍛えた部位は、筋トレ後48〜72時間(2〜3日)で回復するといわれています。基本的にはこのサイクルでオフを入れるようにします。
おすすめの休養日サイクル
- 1オン、1オフ
- 2オン、1オフ
- 2オン、1オフ、3オン、1オフ
・ 1オン、1オフ
1日筋トレして、1日休む、を繰り返します。週3日分割をしている人におすすめです。
例:
- 胸、肩、上腕三頭筋
- オフ
- 背中、上腕二頭筋
- オフ
- 脚
- オフ
- オフ
・2オン、1オフ
2日筋トレして、1日休み、また2日間筋トレ、を繰り返します。適度にオフが入るため、疲労が溜まりすぎることなく、分割が良いリズムで回ります。
例:
- 胸
- 背中
- オフ
- 脚
- 肩
- オフ
- オフ
・2オン、1オフ、3オン、1オフ
週に5日筋トレする場合ですが、こちらも筋肉を適度に回復させつつ、ハードに追い込むことができます。
例:
- 胸
- 背中
- オフ
- 脚
- 肩
- 腕
- オフ
週に5日筋トレするなら、5日連続で筋トレするより、上記のようにオフを入れると関節や筋肉の疲労が抜け、質の高いトレーニングができるでしょう。
若くて元気なうちはオフを取らないのもアリ
トレーニングの教科書を見ると、「必ず休養を取るように」と書いています。たしかに、オフは絶対に必要です。
しかし、現場的なアドバイスだと、若くて元気なうちはオフは「疲れたらとる」でもいいと思います。実際、ボディビルダーの中には「オフは体が疲れたら取る」と、あまり定めていない人も多いです。
ただし、これはボディビル的なアドバイスであり、そんなところは目指してないという人が大多数でしょう。その場合、前述したように数日ごとにオフを取ることをおすすめします。
脚の前日はなるべくオフにする
脚のトレーニングでは多くのエネルギーを使います。足首や腰への負担も大きいため、脚トレの前日はなるべくオフにしましょう。
ただし、脚を大腿四頭筋とハムストリングスに分けてトレーニングしているなら、体力的な負担は非常に減るため、必ずしもオフにしなくていいかもしれません。
分割を考えるときの注意点
大きい部位を優先的にトレーニングする
基本中の基本です。
胸、背中、脚など、大きな筋群を優先して鍛えるようにします。肩を強化したいなら肩もですね。
・腕を強化したい場合
「胸や背中に比べて腕が細い」という場合、「腕の日」を作るのがおすすめ。腕がフレッシュな状態で刺激が入るため、トレーニングの効率も高くなります。日本で有名なボディビルダー「マッスル北村」さんも、「腕を太くしたい場合は腕の日を作ったほうがいい」と「マッスル北村 伝説のバルクアップトレーニング」で解説しています。
上腕二頭筋や三角筋後部を鍛えた翌日に背中トレをしない
上腕二頭筋や三角筋後部が疲れていたら、背中のトレーニングで全力を発揮しづらいので注意が必要です。
背中のトレーニングでは、自分が思っている以上に、上腕二頭筋や三角筋後部を使います。
背中のトレーニングでは、「腕を背中側に引く」が基本動作になりますが、このとき腕を曲げる動作が発生します。そのため、上腕二頭筋が稼働します。
また、背中のトレーニングが苦手だったり、セット後半の追い込みで知らず知らずのうちに、リアデルトを使ってウェイトを引いている場合もよくあります。
とはいえ、どれだけ気をつけていてもある程度の刺激は不回避です。
そのため、上腕二頭筋や三角筋後部を鍛えた翌日には背中のトレーニングは避けたほうがいいでしょう。
- ☓ 上腕二頭筋、三角筋後部 → 背中
- ○ 背中 → 上腕二頭筋、三角筋後部
上腕三頭筋を鍛えた翌日に胸や肩を筋トレしない
上腕三頭筋が疲れていたら、ベンチプレスやショルダープレスなどのプレス系種目で力を発揮できません。背中の場合と同様に、腕を鍛えた翌日に胸や肩のトレーニングは避けるようにします。
ただし、肩のトレーニングでレイズ系種目がメインなら、さほど問題はないでしょう。
- ☓ 腕 → 胸、肩
- ○ 胸、肩 → 腕
肩を鍛えた翌日に胸を鍛えない
肩、特に三角筋前部(肩の前の筋肉)が疲労していると、ベンチプレスなどで胸ではなく、肩に刺激が入りやすいので注意です。肩関節への負担も大きいため、1〜2日ほど回復させてから胸のトレーニングをするのがおすすめです。
カーフ(ふくらはぎ)を鍛えた翌日に脚を鍛えない
ふくらはぎが筋肉痛だと、スクワットのときにバランスを取りにくくなったり、筋肉痛が邪魔して脚トレーニングのクオリティが下がることがあります。
まとめ:巨人の肩の上に立とう
筋トレの分割を考える作業は、慣れたら楽しいですし、カスタマイズしがいがあります。
ただ、やっぱりすこし面倒でもあるんですね。その場合、無理に自分でイチから発明する必要はありません。先輩の知恵を借りましょう。
西洋の言葉で、「巨人の肩の上に立つ」という言葉があります。つまり、「パイセン(先輩)の積み重ねた知識をありがたく使わせてもらおうよ。テヘヘ」ってことです。
特に初心者の場合は自分で考える必要はありません。むしろ、ヘンテコな分割になって効果が減ってしまうくらいなら、先輩たちが考えた分割法を感謝しつつ使わせてもらいましょう。
以下の記事では、いろんな分割例をまとめているので、自分にあった分割を探してみてくださいね。
・週3日の分割
・週4日の分割
・週5日の分割
・週6日の分割
・週7日の分割
マッスル北村 伝説のバルクアップトレーニング 2012年 10月号 [雑誌]
ベースボール・マガジン社 (2017-06-23)
売り上げランキング: 34,379