「最近、ようやく本気になってきた筋トレ初心者」へ向けて、回り道をしないためのポイントを紹介します。
筋トレはれっきとした科学で、ある程度まで体系化されています。
間違った方法で筋トレを続けていると、体が変わらないばかりか、ケガの可能性が高くなることも…。
この記事では、筋トレ初心者のうちに知っておいてほしいポイントを紹介しています。
(ボディメイクをメインとする人に向けた内容です)
無茶な重量を扱わない。まずはフォームを習得する
ジムでトレーニングしている初心者を見ると、圧倒的に多いのが、自分のキャパ以上の重量を扱っているケースです。なんとなく、他人の視線が気になり、無理なウェイトを扱ってしまうんですよね……私もそうでした。
たとえば、ベンチプレスでバーベルが斜めになっていたり、腕がプルプル震えてフォームが崩れているのに無理やり挙げていたり。
しかし、これはデメリットしかありません。筋肉に適切な刺激を与えられず、ケガの可能性も高くなってしまいます。
後述しますが、ボディメイクをする場合、きれいなフォームで、ぶれずにウェイトを扱うことがとても大切になります。
最初だけはプロに教わる
私がおすすめするのは、最初だけはプロに教わること。悪い癖がついていないうちに、良いフォームを身につけましょう。
あなたが通うジムには、たいていの場合、トレーナーの資格を持った方が働いているはずです。そこで、みっちりアドバイスを受けるのです。「何を当たり前なことを」と思われるかもしれませんが、特に男性の場合は変なプライドが邪魔して、なかなか聞けないもの。
私が一番おすすめしたいのは、個人経営のジムです。
個人経営のジムは、ほとんどの場合、オーナーが現役(もしくは過去にやっていた)アスリートであり、大会で成績を残しています。自分の名前で勝負しているため、指導にかける想いや責任は相当なもの。悪評が広まればお客さんは来なくなってしまいますよね。
たとえば、大阪なら、当サイトで取材をした「山下保樹選手」がいます。彼はベンチプレスの元アジア、日本王者です。彼が経営するジムで実際にベンチプレスの指導を受けましたが、やはりプロ。教科書の内容とは違い、驚きました。ジム会員の多くは、短期間でかなりの重量アップを体験しているそうです。
関連:ベンチプレス元日本、アジア王者「山下保樹選手」の指導を受けたらベンチプレスの苦手意識がなくなった
大阪以外でも、日本各地で個人ジムを経営しているアスリートオーナーさんを探してみてください。きっと良い指導を受けられるはずです。
一般的なフィットネスジムであれば、「ゴールドジム」もおすすめ。
独立していてもおかしくないレベルのスタッフさんがごろごろいます。
ボディメイクでは「筋肉に効かせる」ことが重要
「効かせる」とは
ボディメイクでは、筋肉へ的確に刺激を与えることを「効かせる」といいます。トレーニーのあいだでは、共通用語になっています。
まずは、次の動画を見てください(長さ:24秒)。
1回目のベンチプレスは、教科書的なベンチプレスです。「パワーリフティングスタイル」とも呼ばれます。
2回目のベンチプレスは、ボディビル的なベンチプレスで、バーベルを内側に短く縮めるイメージで、肘を内側に入れます。これが効かせているベンチプレスです。ベンチプレス以外にも、種目によって効かせ方は異なります。
本格的な「筋肉もりもりマッチョマン」になりたい場合、身につけなければいけないスキルです。
初心者の場合、この感覚を掴むのはとてもむずかしく、時間がかかるのですが、乗り越えなければいけない壁でもあります。
ちなみに、私は背中の筋肉に効かせるコツを習得するには、3年以上かかりました。しかしこれは独学だったからであって、プロの指導を受ければもっと早く習得できるでしょう。
効かせると筋肉が大きくなり、立体的になる
使っている筋肉を意識をすると、筋肉が発達しやすくなることが研究によりわかっています。ただの筋肉精神論ではないのです。
「筋肉を使う意識をすると、筋発達が増える」
参考:Importance of mind-muscle connection during progressive resistance training. – PubMed – NCBI
「効かせるバーベルカールと、何も意識しないバーベルカールをした場合、効かせたほうが筋肥大した」
参考:Differential effects of attentional focus strategies during long-term resistance training. – PubMed – NCBI
実際、海外のフィットネス選手の動画を見ると、「効かせることが重要だ」と口を並べて主張しています。
逆にいうと、効かせられないと成長は遅くなるってことなんですね。
一生懸命がんばっているのに、筋肉が大きくならず、形も変わらない経験を私は過去にしています。あなたにも絶対にそうなってほしくありません…。
効かせるクセがつくと、手投げになってしまい体をうまく使えなくなる可能性が高いです。階段を上り下りしたり、自転車をこいでもすぐに脚がパンパンになります。球技や陸上競技など、スポーツ選手は使用を控えたほうがいいかもしれません。
詳しくは以下の記事でお話しています。
トレーニングと栄養摂取、どちらも重要
ハードなトレーニングをしても、栄養を取らないと体はほぼ変わりません。
慣れてくると、誰でも筋トレを追い込めるようになってきます。しかし、トレーニングも大切ですが、適切な栄養を摂取するのも同じくらい重要です。
特に日本人は、トレーニングはとても頑張るのですが、栄養摂取への意識はあまり高くないように感じます。
海外のトレーニーは栄養摂取にこだわり、「筋肉はキッチンで作られる」なんていう言葉もあるくらい、重要視しています。
栄養摂取が大事な理由
家を建てるのと同じで、筋肉を作るには、材料が必要になります。
家が大きければ大きいほど、多くの材料が必要なように、大きい筋肉を作りたい場合、多くの栄養が必要です。
私の周りの筋肉が規格外に大きい人は、例外なく大食いです。友人のボディビルダーとバイキングへ行くと、2時間くらいノンストップで食べ続けていて、こちらが吐きそうになりました。
「大食いになれ」とはいいません。しかし、トレーニングだけではなく、栄養摂取をしなければ体は何も変わらないという事実を知っておくことが重要です。
関連:少食でも筋肉は増量できる!たくさん食べられない人が筋肉を大きくするための基本戦略を解説
上級者を安易に真似しない
筋トレ初心者は、ジムの上級者を安易に真似してはいけません。
「あのすごい人がやっているから、自分も同じことをすればいいんだ」とそのまま真似しても、うまくいくことは少ないのです。
あなたが今から野球を始めるとして、いきなりイチロー選手の練習を真似するのと同じ。それぞれのレベルに合わせて、するべきトレーニングがあるのです。
特に気をつけるべき点は、上級者がチーティングを使用している場合です。
チーティングとは、遠心力や反動を使ってウェイトを挙げることです。たとえば、ダンベルサイドレイズで、体を前後に振り回してダンベルを挙げるなど。
チーティングを使うと、効かせるのがむずかしくなるのですが、上級者は効かせるテクニックがあるからチーティングをしているのです。
これは、初心者のうちは絶対に真似しないでください。
初心者がチーティングをしても効果はあまりないどころか、関節に大きな負担がかかり、ケガにつながる可能性があります。
まずは、プロから指導してもらった正しいフォームを、完全にできるようにしましょう。
上級者に質問しよう
もし、あなたが理想とする体の人を見かけたら、邪魔にならない程度に質問してみてください。
その時は、「その種目はどんな意識でやっているんですか?」と聞くといいでしょう。
周りから見ているのと、本人の意識はまったく違う場合があります。普通にベンチプレスをしているように見えても、「肘をなるべく内側に入れる意識をしているなど、聞かないとわからないことがたくさんあるものです。
人によっては、トレーニング中に話しかけてほしくない人もいるでしょう。しかし、ほとんどの上級者は心優しい人ばかりなので(見た目はいかついですが)、喜んで教えてくれるはずです。
私は上級者を見つけたり、自分がかっこいいと思う体の人には、わりと気軽に話しかけます。断られたことは今までに一度もありません。
ただし、相手の時間を奪うことにもなります。常に質問を用意しておき、「2回会ったら1つ聞く」くらいにしておくのがおすすめです。
「聞くは一時の恥。聞かぬは一生の恥」。
積極的になりましょう。
正しい情報源をえらぶ
フィットネスの情報は溢れている
フィットネス分野に限りませんが、今は情報が氾濫している時代です。
もちろん、トレーナーなど、事実にもとづいた情報を発信している人もいますが、中には「え、こんなこと言って大丈夫なの?」という人も少なくありません。
トレーニングはれっきとした科学であり、解剖学や生理学など、複数の学問から成り立ちます。つまり、勉強が必要な分野なのです。
変な情報に惑わされるくらいなら、自分から学ぼう
どれだけネットが発達しようと、今でも信頼度が高い情報源は、書籍です。書籍はライターや編集者がいて、本によっては監修者もいます。情報に間違いがないか、入念なチェックのもと発売されているという点で、信頼度が高いのです。
私がよく参考にしているのは、次の方々です。
- 石井直方:東大大学教授、ボディビル元日本チャンピオン
- 谷本直哉:運動生理学者、筋生理学者。近畿大学生物理工学部准教授
- 山本義徳:ボディビルダー、トレーナー
(敬称略)
これらの先生方が書いた本や、監修している本はまず間違いありません。
筋トレ初心者におすすめしたい2冊
もしあなたが筋トレを始めて間もなく、筋肉を大きくしたいと思っているなら、次の2冊が参考になると思います。
▼筋肉まるわかり大事典
ベースボール・マガジン社 (2008-12-10)
売り上げランキング: 10,667
筋トレに関するあらゆる疑問に回答している本です。これひとつ棚に置いておけば、疑問が浮かんだからすぐに解決してくれるトレーナー的な存在。
▼筋肥大メソッド
ベースボール・マガジン社 (2017-06-23)
売り上げランキング: 10,151
筋肥大の基本を学べます。筋トレ初心者のうちに読むことで、迷うことなく筋肉を大きくすることができるでしょう。私が初心者のうちに出会いたかった本です。
まとめ
- 無茶な重量を扱わない。まずはフォームを習得する
- ボディメイクでは筋肉に効かせることが大前提
- トレーニングと栄養摂取、どちらも力を入れる
- 上級者を安易に真似しない
- 正しい情報源をえらぶ
以上のことを守っていれば、あなたの体もきっと変わっていくはずです。
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