ボディビル・パワーリフティング・ウェイトリフティングは、名前や使う器具は似ていますが、実際にはそれぞれ大きな違いがあります。
この記事では、これら3競技の違いをできるだけ簡単に解説しました。
- ボディビル:見た目(筋肉)が評価される
- パワーリフティング:BIG3の合計重量を競う
- ウェイトリフティング:スナッチ、クリーン&ジャークの合計重量を競う
ボディビル:見た目を競う
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どんな競技か
筋肉の大きさ、キレイさ、バランスの良さを競う競技。ボディビル競技をする選手は「ボディビルダー」と呼ばれます。合言葉は「タンパク質」。
今回紹介している競技の中で、唯一、ウェイトの挙上重量が評価に関係しない競技です。
ボディビルダーは、筋肉を大きくする時期「オフシーズン」と、減量をして脂肪を落とす時期「オンシーズン」を通して、体をつくります。
なお、ボディビル競技の派生として、次のような競技があります。
・クラシックボディビル
・メンズフィジーク
・クラシックフィジーク
・ウィメンズフィジーク
・フィットネスビキニ
など
マックス
評価方法
- 脂肪を極限まで落とし、日焼けをして筋肉の隆起を目立たせる
- ステージ上に複数人で並び、ポーズをいくつかおこない比較審査を受ける
- 複数のジャッジが点数をつける
極端にいうと、体の見栄えさえ良ければ、どんなトレーニングをしてもいい競技です。
また、共通の評価基準はありますが、どうしてもジャッジの主観も入るため、選手全員が納得する結果にはならないこともあります。高いレベルになると、誰が勝っていて誰が負けなのか、素人にはわかりにくいことも。
トレーニング方法
- 筋トレの動作は基本的にゆっくり
- 筋肉が理想の大きさ、形になれば種目は関係ない
- 「効かせる」テクニックをよく使う
- トレーニング部位を分割して鍛える人が多い(月曜日は胸、火曜日は背中、など)
関連:筋肉を大きくするために筋トレ初心者が最初に知っておくべきこと
パワーリフティング:BIG3の合計重量を競う
どんな競技か
スクワット、デッドリフト、ベンチプレスの合計重量を競います。これら3つの種目を「BIG3」と呼びます。
パワーリフティング選手は「パワーリフター」とも呼ばれ、筋力の強さや、ウェイトを挙げるテクニックを必要とします。
派生競技
BIG3の合計を競うパワーリフティングとは違い、ベンチプレスだけの重量を競う競技もあります。ベンチプレス競技の選手を「ベンチプレッサー」と呼ぶことがあります。
関連:ベンチプレス元日本、アジア王者「山下保樹選手」の指導を受けたらベンチプレスの苦手意識がなくなった
評価基準
- BIG3の合計重量を競う
- より重たいウェイトを挙げた人が優勝する
見た目勝負のボディビルとは違い、もっとも重たい記録を出した選手が勝ちます。わかりやすいですね。
トレーニング方法
- BIG3をメインにトレーニングする
- BIG3以外の補助トレーニングをする選手もいる
▼パワーリフティング大会の様子
ウェイトリフティング:オリンピック種目
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どんな競技か
「スナッチ」と「クリーン&ジャーク」という2種目の合計重量を競います。ウェイトリフティング競技をする選手は「ウェイトリフター」と呼ばれます。
オリンピックの公式種目であることから、海外では「オリンピック・ウェイトリフティング」と呼ぶ人も。
パワーリフティングと名前が似ているため混同されやすい競技ですが、決定的に違うのは、ウェイトリフティングは体の反動を使ってバーベルを挙げる点です。
評価基準
- スナッチ、クリーン&ジャークの最高記録の合計で順位を決める
- より重たいウェイトを挙げた人が勝利する
パワーリフティングと同じく、結果がシンプルに決まる競技です。
トレーニング方法
- プラットフォームと呼ばれる場所で練習する
- 国内だと気軽に練習できる環境は少ない
バーベルを大きく動かす競技のため、危険性が伴い、一般的なフィットネスジムでは練習できません。国内だとウェイトリフティングができる場所は限られており、初心者が気軽に始めにくいのが現状です。
▼スナッチ
▼クリーン&ジャーク
- ボディビル:体の見た目が評価される
- パワーリフティング:BIG3の合計重量を競う
- ウェイトリフティング:スナッチ、クリーン&ジャークの合計重量を競う
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