グルタミンの効果、飲み方(摂取量、タイミング)について、科学的根拠をもとに解説しました。
グルタミンを5年以上飲んでいる筆者の経験もふまえつつ、なるべくわかりやすく紹介します。
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グルタミンの効果
グルタミンは、「非必須アミノ酸」と呼ばれ、体内で作られるアミノ酸です。簡単にいうと、体の中にたくさんある成分なのです。
そう聞くと、「じゃあ別に摂取する意味ないんじゃない?」と疑問に思うかもしれません。それが、おおありなのです。
なぜ、グルタミンを摂取したほうがいいのか?
得られる効果について、簡単に解説していきます。
リカバリーを促進する
グルタミンの効果を一言でまとめると、「筋トレからのリカバリー(回復)を促進する」と言えます。
激しい筋トレや運動をすると、筋肉は大きなダメージを受けます。その回復をグルタミンはサポートしてくれるのです。
もっと詳しく見ていきましょう。
筋肉の分解(カタボリック)を抑制
グルタミンには、筋肉の分解を抑制する効果があります。
分解とは、どういうことでしょうか?
筋トレ中は、体内のグルタミンを大量に消費します。トレーニングがハードになればなるほど、グルタミンの消費量は増えます。
体内のグルタミン量が減ると、体はエネルギーを作り出すため、筋肉を分解し始めます。この状態をカタボリックと呼びます。
つまり、「筋肉をつけようと一生懸命トレーニングしているのに、筋肉が減っていく」ということ。
筋肉を成長させたいなら、カタボリックな状態をできるだけ減らせるかが大切。それを防いでくれるのがグルタミンなのです。
グリコーゲンの回復を促進
グルタミンは、グリコーゲンの回復を促進する効果があります。
グリコーゲンとは何か?
筋肉の中にある糖質のことを、「グリコーゲン」と呼びます。ここではわかりやすくするために、「糖質が筋肉の中に入って、呼び名が変わっただけ」と理解してもかまいません。
グリコーゲンは、筋トレ中にエネルギー源として使われます。よって、筋トレ後には、グリコーゲンの量が減ります。
減ったグリコーゲンをできるだけ早く補充することで、筋トレからの回復が早くなり、次のワークアウトへ備えることができます。
つまり、筋肉を成長させるためにも「グリコーゲンの補充はとても大切」ということです。
「グルタミン+糖質ドリンク」でグリコーゲンが早く回復
グルタミンと糖質ドリンクを合わせて摂取することで、グリコーゲンが早く回復したという研究結果があります。糖質ドリンクとは、オレンジやリンゴジュースなどのドリンクです。
ハードな筋トレ後に、各グループが以下を摂取しました。
- 糖質ドリンクだけ
- グルタミン8gと水
- グルタミン8gと糖質ドリンク
参考
結果、「グルタミン8gと糖質ドリンク」を摂取したグループ3が、グリコーゲンを最も回復させました。
今まで、トレーニング後にプロテインと糖質ドリンクを摂取していた方は、グルタミンも加えたほうがいいと言えるでしょう。
参考:運動後のグルタミン投与は筋肉グリコーゲンの蓄積を促進する
筋肉痛の減少
グルタミンは、筋肉痛を減らす効果もあります。さっそく研究を見てみましょう。
15人の男性を2つのグループに分け、1つはプラシーボ群、1つはグルタミン摂取群とした。
それぞれ、100回のドロップジャンプをした後、次のドリンクを摂取した。
- マルトデキストリン(体重×0.3g)
- 750mlのレモン水
グルタミン群だけ、グルタミン(体重×0.3g)を追加で摂取した。
結果、グルタミンを摂取したグループは、24時間後以降の筋肉痛がやわらぎました。
また、筋力低下の軽減に有効だったこともわかっています。
免疫力をサポート
「免疫力のサポート」も、グルタミンの大きな特徴です。免疫力とは、簡単にいうと「体に入ってきたウィルスなどの異物と戦うパワー」です。
体の中には、ウィルスのような異物と戦う器官がいくつかあり、グルタミンはそれらのエネルギー源になります。
グルタミンは小腸の燃料
免疫に関係ある体内の器官といえば、小腸が有名です。
小腸は、胃で分解された栄養を吸収する場所である一方、ウィルスなどの入り口でもあるのです。
そのため、小腸が元気じゃないと、体の調子は悪くなってしまいます。そんな小腸が、元気に働くための燃料が「グルタミン」なのです。
グルタミンは免疫細胞の燃料
グルタミンを口から摂取することで、免疫が強化されたという報告があります。
【マラソンランナーを対象にした実験】
- トレーニング後、血中のグルタミンが20%減少した
- 白血球が増加し、リンパ球が減ることで、免疫が低下した
被験者が、エクササイズ後にグルタミンを摂取したところ、ウィルスを退治する「Tヘルパー細胞」が増えたそうです。
また、「リンパ球」は小腸と同じく、グルタミンを燃料として、体の免疫を守る活動をします。
この実験には出てきませんが、「マクロファージ」という細胞も、リンパ球のように、体に侵入してきた異物と戦います。マクロファージの燃料もまた、グルタミンです。
よって、グルタミンは免疫力の向上に効果のある成分と言えるでしょう。
筋肉の合成をサポートする可能性も
グルタミンは筋肉分解抑制(異化抑制)の効果は知られていますが、筋肉の合成を促進する可能性もあります。
仕組みは明らかにはされていませんが、グルタミンを摂取すると、体内にアルギニンが増えます。
アルギニンは、筋肉の合成に関わる「成長ホルモン」を分泌させます。つまり、グルタミンの摂取によって、間接的に筋肉合成を促進できるということです。
参考:「サプリメント A to Z」ー P.41 | 月刊ボディビルディング
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グルタミンはどんな人が飲むべきか
グルタミンは、次のような人たちに向いています。
- 週に2、3日以上トレーニングする人
- トレーニング後に体調が崩れやすい人
- 風邪を引きやすい人
- 体を回復させて、毎回快適にトレーニングしたい人
- オーバートレーニングにならず、トレーニング量を増やしたい人
- 試合が多いアスリート
逆に、ランニングなどの軽い運動をするくらいであれば、特に摂取しなくてもいいかもしれません。もちろん、体調の良さは感じられるでしょうが、強度の高い筋トレをする人のほうが、体感しやすいでしょう。
私の場合、毎日必ず摂取するサプリのひとつです。最低でも週4日、各60〜90分は筋トレをするため、グルタミンを摂取しないと、すぐに体調を崩してしまいます。
「ハードにトレーニングをするなら、絶対にグルタミンを摂取すべき」と断言できるくらい、トレーニーにおすすめしています。
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グルタミンの飲み方
特に決まった飲み方はありませんが、主に2つの飲み方があります。
- グルタミンパウダーを口に入れて水などで流し込む
- プロテインやオレンジジュースに混ぜて飲む
私はグルタミンパウダーを口に直接放り込み、水で流し込むスタイルを採用しています。
なお、このような飲み方は、ボディビルダーがよく採用することから「ビルダー飲み」と呼ばれることがあります。
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摂取量とタイミング
グルタミンの「摂取量」と「タイミング」は次のとおり。
- 起床後:5g
- トレーニング後:8gに糖質ドリンク
- 回復にこだわるなら:就寝前にも5g
基本的に「起床後」と「トレーニング直後」、この2つのタイミングがオススメです。
トレーニングをしない日は、起床後だけでもOKです。
起床後は、何も食べていない状態で5gを摂取します。胃が空っぽの状態で摂取することで、グルタミンを栄養素とする「小腸」にすばやく送り届けることができ、効率的です。
トレーニング後は、「グリコーゲンの回復を早める」のパートでもお話したとおり、8gは摂取したほうがいいでしょう。
回復を早めるために、糖質ドリンクを摂取することも強くオススメします。筋トレは体内のグリコーゲン(糖質)が減っているぶん、すばやく補充してあげることで回復がグッと早くなります。
なお、糖質ドリンクならグリコの「CCD」が品質が良く、価格も安いのでオススメしています。他には、コンビニのオレンジジュースなどでもOKです。
個人的には、トレーニング後に8gを計算するのが面倒なので、10g摂取しています。
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副作用:許容量以内であれば安全
特にこれといった副作用は報告されていません。1日20〜30gは安全とされているようです。
とある研究では、「アスリートが1日28gを14日感摂取しても特別問題はなかった」ということがわかっています。
また、「体重×0.65g」の量でも、特に問題はなかったことも判明しています。もし体重が80kgなら、80×0.65で、52g摂取しても大丈夫ということです。
実際、多めに摂取してもせいぜい1日20gくらいなので、特にこれといったリスクはなく摂取できるといっていいでしょう。そもそも体内に大量にあるアミノ酸なわけですしね。
筆者は5年以上、グルタミンを最低でも10gは毎日摂取していますが、それで体に変化が出たことは一度もありません。
選び方:個人的におすすめのグルタミン
今のところ、「この成分のグルタミンを選べ」といったものはありません。
しかし、たくさんのグルタミンを飲んできた中で、やはり効きにくい商品とそうでない商品があったのも事実です。
現在私が愛用しているのは、次のいずれかです。
個人的に、これら2つは「成分」「体感」「コスパ」の点でピカイチです。
「CGN」はアメリカのブランドですが、成分自体は日本の「Ajinomoto社」のグルタミンを使用しています。安心できる要素ですね。
「Kaged Muscle グルタミン」も、製造工程にこだわっており、高品質なサプリです。
グルタミン特有の「苦味」が取り除かれているのが特徴で、パウダーをそのまま口に入れて飲むこともできるし、他のサプリに混ぜても味の邪魔にならない。初心者には「Kaged Muscle グルタミン」のほうがいいかもしれません。
関連:最強のコスパ!味の素ブランドを使った「グルタミン(CGN)」が大好きなので全力でオススメしたい
関連:グルタミンの味が苦手な人にオススメ「Kaged Muscle グルタミン」レビュー
まとめ
- 筋肉の分解(カタボリック)を抑制する
- グリコーゲンの回復を促進
- 筋肉痛の減少
- 免疫力をサポート
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