デッドリフトで腰が痛む原因は、大きく2あります。
- フォームが適切ではない
- ストレッチやウォームアップ不足
悪いフォームのまま続けると、腰痛が悪化し、日常生活に大きな支障をきたすケースも。記録も伸びず、筋肉は成長しない…。
逆に言うと、自分に適切なフォームを習得すれば、痛みを抑えつつデッドリフトができ、筋肉が成長します。
私自身、ヘルニア持ちで15年ほど腰痛と戦っています。
今でも痛むことはありますが、適切なフォームを習得し、入念なストレッチをすることで、改善できたと自負しています。
今回は、デッドリフトで腰が痛む原因を5つ挙げ、その対処法と、私の失敗談をお話しします。
デッドリフトで腰が痛む5つの原因
デッドリフトで腰が痛む場合、5つの原因が考えられます。
- 腰が丸まっている
- 腰を反りすぎている
- 重心がつま先に偏りすぎ
- バーベルが斜めになっている
- ストレッチ・ウォームアップが不足
つまり、「フォーム」と「準備」に改善点があるってことですね。
それでは、ひとつずつお話ししていきます。
1:腰が丸まっている
「ウェイトが重たすぎて腰が丸まっている」
デッドリフトで腰を痛める原因のほとんどがこれです。
なぜ重たいウェイトを扱ってしまうのか?
おもに2つの理由があります。
- 見栄を張りたいから
- 自分のキャパシティを理解していないから
特に、男性はジムで見栄を張ってしまう生き物です。
「あの人よりは重たいウェイトを持ってやる」と心のどこかで思い、自滅する人って多いんですよね。私も昔はそうでした…。
もう1つの理由は、単純に自分が扱える重量を理解していないケース。
自分が持てない重量を使おうとして、結果的に腰を丸めてデッドリフトを引いてしまいます。
2:腰を反りすぎている
「腰が丸まらないようにしないと…」と意識しすぎて、腰が逆に反りすぎている人も多く見かけます。これも腰痛の原因です。
腰が反りすぎていることで、物理的にウェイトの重さが一点に集中します。
トレーナーにもよりますが、デッドリフトを学ぶ時は「肩甲骨を寄せて胸を張る」と教わることがほとんど。
間違いではありませんが、腰までも極端に反らせていることも多々あります。
個人的に、「背中はまっすぐに伸ばす意識」をして、腰が大きく反らないように注意しています。
背中の中で、下背部だけが発達している場合は、デッドリフトやローイングで腰を反りすぎている可能性があります。
3:重心がつま先に偏りすぎ
つま先に重心がかかると、腰だけではなく、膝にも良くないフォームになります。
デッドリフトは上下の運動です。
重心がつま先に移動するということは、バーベルを下ろす時、真下ではなく、少し前方に下ろしている可能性があります。
これでは上下と前後の運動が混ざってしまい、さらに重たいウェイトを扱うため重心が安定しません。結果、腰に過度な負担がかかることに。
デッドリフトでは重心はかかとに乗せ、臀部とハムストリングスに力を入れて固定するのが基本です。100%の重心をかかとに乗せるとバランスが取りにくいので、「80%をかかとに」、「20%はつま先に」というイメージで行うと良いでしょう。
4:バーベルが斜めになっている
デッドリフトでバーベルを下ろすとき、どちらか片方のプレートが先に床につくという人も多いです。
ウエイトをコントロールできておらず、無意識のうちに左右どちらかの強い筋肉の方で引いているんですね。
解決策はシンプルで、重量を10〜20%ほど下げるといいでしょう。これで明らかにバランスが取りやすくなります。
5:ストレッチ・ウォームアップが不足している
デッドリフトは体への負担がとても大きい種目です。
体が温まっていない状態でおこなうと、ケガの可能性はグンと上がります。
「自分はまだ若いから大丈夫」と思っている人こそ、危険です。私がケガをしたときはそうでした…。
そのため、適切なストレッチやウォームアップが重要です。詳しくは後述します。
次に、デッドリフトで腰が痛くなってしまった時の対処法についてです。
デッドリフトで腰痛になったときの、2つの対処法
「今すべき解決策」と、これから「時間をかけて行うべき解決策」を紹介します。
1:まずは安静に
腰を痛めてしまった場合、まずは安静にすることです。「骨」が痛む場合はすぐに整形外科へ行きましょう。
「筋肉」が痛む場合は、デッドリフトを一週間ほど止め、様子を見ます。筋肉が痛むなら、一週間もすれば、痛みは多少軽くなるはずです。
それでも痛みが引かない場合、整形外科へ行きましょう。スポーツ専門の整形外科がベストです。
私は関西在住ですが、京都の「やまぎわ整形外科」がスポーツ専門の整形外科として非常に有名です。
2:正しいフォームを習得する
正しいフォームを身につけなければ、痛みが再発する可能性は高いまま。さらに、続けていくうちにどこかでパフォーマンスが伸び悩みます。
正しいフォームや動作中の意識については、次の記事で詳しく解説しているので参考にしてみてください。
【初心者向け】ケガをしないデッドリフトの正しいフォーム、方法を解説
最後に、私の失敗談をお話しして、記事を終わります。
私の失敗談
私は高校生の時に「椎間板ヘルニア」を患いました。歩けないほどではなく、腰の痛みと、脚に軽く「ピリピリ」と神経的な異常を感じるレベルでした。
それでも、小・中・高と続けていたバスケットに支障が出たため、辞めざるを得なくなりました。
正しいフォームを習得した今、腰が痛むのは年に2〜3回です。ただ、フォームを習得するまでは、何度も何度も痛めました。
私の場合、2種類の痛みがあります。「ヘルニアの痛み」と、「右側の下背部の張り」です。
ヘルニアの痛み
未だに完治はしておらず、古傷のように痛むことが年に数回あります。
私生活に支障が出るため、この日はトレーニングはできません。最悪の場合、2〜3日ほどあまり動けないことも。
死ぬまで治ることはないでしょうから、これからも付き合っていかなければなりません。
右側の下背部の張り
トレーニングができないほどではありませんが、腰の筋肉が張ります。
こんな日に背中や足トレが回ってきた時は、デッドリフトやスクワットはやりません。マシン種目を多用して腰への負担を減らします。
これら2つの痛みが同時に発生する日もあれば、どちらか一方だけ痛む、といったことがあります。
私が行った方法:重量を下げてレップを増やす
私の場合、腰痛の原因は明らかでした。見栄を張って重たいウェイトを扱い、フォームが崩れていたからです。
その時、腰が丸まっていることはわかっていましたが、しょうもないプライドのためにそのまま続けていました。今考えると、本当にアホです・・・。
何度も痛めるうちに、「このまま続けると身体が完全に壊れる・・・」と感じ、重量を20%ほど下げ、それまで5レップ設定だったのを「10レップ」にしました。
そして、限界まではおこなわず、2ヶ月ほどフォーム習得に費やすことに。結果、フォームが改善し、5レップに戻してもフォームは崩れないようになりました。
どうか、私みたいなアホな過ちをしないように。
ケガして終わるだけですから・・・。
2:筋膜リリースを取り入れた
「筋膜リリース」をすることによって、筋肉が柔らかくなり、痛みが明らかに減りました。
筋膜とは、「筋肉を包む薄い膜」のこと。
筋膜を柔らかくすることを、「筋膜リリース」と呼びます。
筋膜が固まっていると、ジーパンを履きながらスクワットをするようなもので、うまく動けません。
ですが、筋膜リリースをしてからトレーニングをすると、体が「滑らか」に動きます。ヘルニアには効きませんが、筋肉にはプラスの効果を感じました。
いろんなスポーツ選手が取り入れている方法でも有名です。
筋膜リリースについては次の記事でお話ししています。ぜひトレーニング前のストレッチに取り入れてみてください。
「筋膜リリース」とは?効果と方法をカンタンに解説。筋トレをする人にオススメ
まとめ
デッドリフトで腰が痛む原因をおさらいします。
- 腰が丸まっている
- 腰を反りすぎている
- 重心がつま先に偏りすぎ
- バーベルが平行じゃない
- ストレッチ・ウォームアップが不足
- 自分のキャパシティを超えるな
- 見栄っ張りは怪我の元
- 低レップでフォームが崩れるなら、まずは10レップから始める
どうか、私と同じ過ちは犯さないでください・・・!
マックス
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