「筋トレをするとき、ウォームアップのセット数、回数、重さはどう決めたらいい?」
という疑問に答えます。
まずは結論から。
- ウォームアップは1〜3セットでOK
- レップ数はRMを使用して決める
- 追い込まないことが大切
- 慣れてくると自分に合った方法が見つかる
詳しくは、記事の中でお話します。
筆者がおすすめするウォームアップ方法も記載しているので、参考にしてみてくださいね。
マックス
ウォームアップのセット数:1〜3セットで十分
ウォームアップのセット数は、1〜3セットでOKです。
具体的には、その種目が何番目かによって、セット数が変わります。
- 最初の種目は2〜3セット
- 2種目以降は1セット
あなたがその日におこなう最初の種目では、2〜3回のウォームアップセットをおこないましょう。基本的には2セットで十分です。
むしろ、やりすぎるとメインセットに支障をきたすので、疲れないようにするのが重要です。
(メインセット:もっとも力を込めるセット)
2種目め以降のウォームアップセットは、1セットで終えます。
最初の種目をした後なので、関節の動きは滑らかになっていますし、体温も上がっています。ここでは、フォームや重さの確認をするだけで大丈夫です。
トレーニング後半や最終種目では、ウォームアップは必要ありません。筋肉はすでに十分疲れているので、すぐにメインセットをおこないます。
するとしても、重さを確かめるだけで、回数も1〜2回でかまいません。
ウォームアップのレップ数
ウォームアップのレップ数を決めるには、自分が扱えるウェイトの重さが関係してきます。
ここで登場するのが、RMという概念です。「あーるえむ」と読みます。
概念といっても、むずかしい話ではありません。1回ぎりぎり挙げられる重量を、「1RM」や「100%RM」と呼ぶだけです。
たとえば、ベンチプレス100kgを1回挙げられるなら、ベンチプレスの1RM(もしくは100%RM)は100kgになります。
1RMを知るための計算方法はいろいろあるのですが、早見表を利用するのが手っ取り早いです。
スマホだと見づらいかもしれません。大きいサイズの早見表を確認したい場合はこちら。
RMを自動で計算してくれるサイトもありますので、こちらも活用してみてください。
・One Rep Max Calculator – Strength Level
それでは、例を使って解説しますね。
例:ベンチプレスの1RMが100kgの場合
あなたのベンチプレスのマックス重量(RM)が、100kgだったとしましょう。そして、メインセットでは80kgを使用して、各8回、合計3セットしたい場合を考えます。
- ベンチプレスの1RM:100kg
- メインセット:80kg × 8回、3セット
上記のトレーニングをする場合、次のようなウォームアップセットになります。
- 1RM × 40%(40kg):10回
- 1RM × 60%(60kg):3〜4回
※バーベルの重さ(20kg)を含む。つまり40kgなら、バーベルの両側に10kgずつ
ここでのポイントは、絶対に追い込まないことです。
追い込んでしまうと筋肉が疲労し、メインセットに支障をきたします。ウォームアップセットとは、あくまでも「メインセットで最高のパフォーマンスを発揮するためのセット」です。ここで疲れてしまうと、本末転倒です。
フォームの確認をしたり、狙う筋肉をしっかり動かせているか、痛いところはないか、などを考えながらおこないます。
足りないと思ったらセットを増やしてもいい
ウォームアップセットを2回終えて、「まだなんとなく足りない気がする」と思うときがあるかもしれません。特に冬など寒い季節では、体や関節が温まるのに時間がかかります。
その場合、セットを足してもOKです。ただし、その場合も追い込まないように注意してください。足しても1〜2セットくらいにおさえておきましょう。
自分のRMがわからない場合
「いや、計算とかめんどくさいし」という人も中にはいるでしょう。私もどちらかというとそっち派です。
その場合、以下のような感覚でウォームアップをするのもありです。
- 1セット目 :1回なんとなくできそうな重さの半分を扱う
- 2セット目 :1回なんとなくできそうな重さの60〜70%を扱う
このくらいざっくりでもかまいません。
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筋トレのウォームアップ:おすすめしたい方法
筋トレをする部位によっても変わりますが、筆者が毎回おこなうウォームアップの手順は次のとおりです。参考にしていただければ!
- 筋膜リリース(全身)
- 有酸素運動 5分
- ウォームアップセット
筋膜リリースとは、専用の器具を使い、筋肉を包む膜(筋膜)をほぐすストレッチ方法です。スポーツ選手やボディビルダーなどがおこなう方法で、ここ数年で一気に知名度が上がりました。
筋膜リリースをすることで、筋肉が明らかに柔らかくなり、トレーニングがしやすくなります。
(詳しくは「筋膜リリース」の記事に書いています)
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筋膜リリースの後は、有酸素運動を5分おこないます。バイクでもランニングマシンでも、なんでもOKです。
あまり早くしすぎず、体が少し汗ばむくらいで終えてください。
筆者の場合、家からジムまで自転車でちょうど5分かかるので、ウォームアップもかねておこなっています。一石二鳥!
あえて95%RMのウェイトを扱う
これは中級者向けの内容です。
ウォームアップセットをおこなうとき、その日扱うウェイトの中で、もっとも重たいウェイトを扱うようにしています。
たとえば、さきほど紹介した例でいうと、最後に95% × 1RM のウェイトを使って、1回おこないます。
(ベンチプレスの1RMが100kgの例)
- 1RM × 40%(40kg):10回
- 1RM × 60%(60kg):3〜4回
- 1RM × 95%(95kg):1回
こうすることで、体が重さに慣れ、80kgのセットが軽く感じます。コントロールもしやすくなるため、1回目のメインセットのクオリティが上がります。
スクワットやデッドリフトなど、BIG3種目でとくに使える方法なので、トレーニングに慣れている方は試してみてください。
※95% × 1RMをブレずに扱える人向けのテクニックです。筋トレ初心者にはおすすめしません。
苦手・効きにくい部位はケーブルでウォームアップ
苦手だったり、効きにくい部位は、最初にケーブルトレーニングで刺激を入れるのもおすすめです。
たとえば、背中の筋トレが苦手な場合、最初にラットプルダウンを丁寧におこないます。ジムにアタッチメントがあれば、片手でおこなうとより効果的です。
- 12〜15回、2セット
引くときも、ウェイトを戻すときも、2秒ほどゆっくりと時間をかけて、広背筋がしっかりと動いていることを確認します。
軽いウェイトを使用し、ここでも追い込まないように注意が必要です。「あ、軽く痛くなってきたかな〜」くらいでやめておきましょう。
個人的に、大胸筋と上腕二頭筋が苦手なため、ケーブルクロスオーバーやケーブルカールなどで刺激を軽く入れてから、ベンチプレスやバーベルカールなどの種目に移行する場合が多いです。
慣れてきたら自分なりの方法が見つかる
ここまでウォームアップセットや回数についてお話してきましたが、慣れてくると、自分なりのウォームアップ法が次第にわかってきます。
実際、上級者になると、ウォームアップがかなり多い人と、少ない人に分かれる印象があります。
以前取材したベンチプレス元日本王者の山下やすき選手は、「頭の中でイメージしている動きと、実際に体の動きが合致したらそのセットは終える」と話してくれました。
関連:ベンチプレス元日本、アジア王者「山下保樹選手」の指導を受けたらベンチプレスの苦手意識がなくなった
冒頭でも話したとおり、経験を積めば積むほど自分なりのウォームアップの型が見えてきます。まずは基本から始めて、自分でいろいろアレンジしてみましょう。