大胸筋を大きくする種目として、最も人気といっても過言ではないのが「ベンチプレス」
ただ、ベンチプレスをいくらやっても大胸筋が発達しない人も一定数います。
肩や腕の筋肉が強く、大胸筋に適切な刺激を与えられていないのが原因の1つです。
部位別トレーニング法 -胸と背中、腹編-: 山本義徳 業績集 10 山本義徳業績集
ボディビルダー、トレーナーとして素晴らしい実績を残す山本義徳氏が、自身の経験と科学的根拠をもとにして、効果的な胸・背中・腹筋のトレーニングを解説しています。
私自身、「ベンチプレスは苦手だけど、胸を大きくするためにはやらなきゃいけない」という”呪縛”のような考えに囚われていましたが、本書を読んで解放されました。
本書を読み、新たに学んだこと、考えたことを紹介します。
大胸筋の筋肥大が目的なら、ベンチプレスにこだわらなくてもいい
筋力の向上ではなく、あくまでも大胸筋の筋肥大に徹するなら、「ベンチプレスは必須種目ではない」という山本先生。
ベンチプレスは、人によって向き不向きが大きく分かれる種目です。肩や腕が強い人は、大胸筋に効きにくい傾向があります。
もちろん、大胸筋がもともと発達しやすい人はベンチプレスを続けて問題はありません。そういった人は、何の種目をしても発達するものです。
山本先生は18歳の頃、ベンチプレスで170kgを挙げましたが、肩や上腕三頭筋ばかりが発達し、大胸筋は薄いままだったそうです。
マックス
ちなみに、私はベンチプレスが非常に弱く、大胸筋が身体の中で1番苦手な部位です。
効きにくく、もはや半分諦めかけている部位でさえあります。鏡で自分の大胸筋を見るたび、泣きたくなります。
「ベンチプレスをしても胸がまったく大きくならない。でも、有名な人は「ベンチプレスが大事」と言っているし・・・」と悩むことは、大胸筋の筋肥大に苦しむトレーニーなら深く共感できることでしょう。
私自身、同じ意識が強くありましたが、本書を読んで完全にベンチプレスを捨てる勇気が得られました。
ベンチプレスを伸ばすためのプログラムも詳しく記載されているので、ベンチプレスを強化したい人にも参考になるでしょう。
大切なのは大胸筋のカタチ
大胸筋が大きいことは素晴らしいですが、それだけでは良い見栄えになりません。
山本先生のバックグラウンドはボディビル。
ボディビルは筋肉の形、バランス、大きさを競う競技で、ただデカければいいというものではありません。
当サイトの読者の多くがボディビルをしたいわけではないでしょう。とはいえ、「ビーチで見栄えする大胸筋を作りたい」「Tシャツやタンクトップが似合う身体になりたい」などと心のどこかで願っているはず。
そんな場合は、やはり見栄えの良い肉体を作る、ボディビル的なトレーニングを参考にすべきです。
胸の中央付近と、輪郭をつける
見栄えが良い大胸筋は、「大胸筋上部、中部、下部」がバランス良く発達しています。
大胸筋が得意部位ならいいですが、苦手な人にとっては「ベンチプレス」や「インクラインベンチプレス」だけでは、なかなか作れません。
そこで山本先生がおすすめするのはフライ系の種目。
具体的な方法やトレーニングルーティンは本書で詳しく解説されてますが、あらためて「ストレッチ系種目」の大切さを痛感しました。
また、多くのトレーニーが苦戦する、「大胸筋の内側」を強化する種目についても、細かな記載があります。
ただ、レップ数、セット数、頻度、休憩時間などについての記載はないため、別書の「山本義徳:筋肥大・筋力向上のプログラミング」を読む必要があります。
基本フォームの解説から、中上級者が満足する細かなテクニックを網羅
山本義徳先生の著書というと、筋トレ中上級者向けといったイメージがありましたが、本書では初心者にも配慮した内容になっています。
大胸筋の解剖学的な基礎、基本フォーム、肩・胸・腕の使い方など、むしろ初心者のうちに読んでおくべきことが満載です。
初心者のうちに正しい知識を身につければ、大胸筋のトレーニングで、私のように何年も迷い続けることはないでしょう。できれば5年前に読みたかった本です。
トレーニング中上級者が満足するような、大胸筋をさらに筋肥大させるヒントも多く散りばめられています。
ベンチプレスという呪縛からの解放
繰り返しになりますが、自分としては、ベンチプレスから解放されたのが本書を読む最大のメリットでした。
ベンチプレスの代わりに紹介されている種目をこれから導入していく予定です。
大胸筋に関して、私は完全に開き直っているため、なんでもやってみると決めています。
「大胸筋が発達しにくい」「ベンチプレスが効かない」という、私と悩みを持っている方は、ぜひ一読してみてはいかがでしょうか。Kindleなのですぐに読むことができます。
なお、山本先生の本は「キンドル・アンリミテッド」に入っていると読み放題です。他にもビジネス書などが豊富なので、月980円の自己投資としては最高のコスパです。
本書には大胸筋以外にも、背中と腹筋について細かな解説があります。内容が濃すぎるため、別の記事でまた紹介します。