筋力アップに最適な「5/3/1プログラム」を紹介します。
・BIG3の重量をメインに伸ばしたい
・筋量だけじゃなくて、筋力も増やしたい
・スポーツに使える筋肉をつけたい
という人におすすめできるトレーニングプログラムです。
トータル1000kgを超えるパワーリフターが開発
「5/3/1プログラム」は、パワーリフターのジム・ウェンドラー氏が開発した、筋力アップを主な目的としたトレーニングプログラムです。
参考:5/3/1: How to Build Pure Strength | T Nation
ジム選手は20年以上トレーニングをしており、パワーリフティングでとてつもない成績を残しています。
- スクワット:453kg
- ベンチプレス:306kg
- デッドリフト:317kg
合計1077kg
トータル重量がなんと「1トン」と・・・。
(ちなみに日本の三土手大介という選手も1トン超えの成績を残しています)
ただ、パワーリフティングを突き詰めすぎた結果、BIG3しかできない肉体になってしまったというジム選手。
「機動性、柔軟性があり、強くてコンディションが良い肉体」を目指すために、「5/3/1プログラム」を開発したとのこと。
どんな人におすすめか
今回紹介するトレーニングプログラムは、次のような人におすすめです。
- BIG3の重量が停滞している
- 筋力を伸ばしたい
- 競技に直結する身体能力を得たい
- 筋量を増やしつつ、筋力もアップしたい
ただ、個人的には「筋肥大プログラム」というよりは、「筋力アップ」の側面のほうが強いと感じています。
「5/3/1 プログラム」内容
「5/3/1プログラム」の内容、方法を紹介していきます。
エクササイズ
バーベルエクササイズをメイン種目として設定し、扱う重量を集中的に伸ばしていきます。
- ベンチプレス
- パラレルスクワット
- デッドリフト
- スタンディングバーベルプレス
パラレルスクワットとは、太ももが平行になるくらいまで腰を落とすスクワットを指します。
各バーベルエクササイズをメイン種目として、それぞれ週1回ずつトレーニングします。
また、ケガの防止や肉体のバランスを整えるため、補助エクササイズを1〜2種目おこないます(詳細は後述)
トレーニングルーティン
- 肩:ショルダープレス
- 背中:デッドリフト
- 胸:ベンチプレス
- 脚:パラレルスクワット
以上の順番で、週4日トレーニングします。注意するポイントとしては、3日連続でトレーニングしないこと。例えば、「肩トレ→背中トレ→オフ」にするってことですね。
重量設定
このワークアウトプログラムでは、重量設定がもっとも大切なポイントです。
1RMを基本にするのではなく、「1RM×90%」を基本にして、重量の算出をおこないます。
【1ヶ月のワークアウトプログラム】
セット | Week1 | Week2 | Week3 | Week4 |
1 | 65%×5 | 70%×3 | 75%×5 | 40%×5 |
2 | 75%×5 | 80%×3 | 85%×3 | 50%×5 |
3 | 85%×5+ | 90%×3+ | 95%×1+ | 60%×5 |
- メイン種目:3〜5分
- 補助種目:1〜2分
もしベンチプレス100kgが1RMの場合は、100kgを基準とするのではなく、その90%である90kgを基準値とします。
つまり、1週目のセット1は「65%×90kg」なので、58.5kgを使用し、5レップおこなうのが目標になるということ。5レップ以上できる余裕があったとしても、5レップでセットを終えましょう。
1〜3週目の最終セットでは、それぞれ「5+」や「3+」などと記載があります。これは、最終セットでは、出来る限りのレップをおこなうという意味です。
1〜3週は表のように重量を増やしていき、筋力アップを狙います。4週目は「ディロード(Deload)期間」として、重量を減らし、筋肉や関節の疲労を取る狙いがあります。4週間のサイクルを終えたら、リピートします。
ウォームアップ
トレーニングを始める前には、機動性、柔軟性、体温を高めるウォームアップをします。トレッドミル(ランニングマシン)などで軽く走ってもいいですし、元記事ではフォームローリング(筋膜リリース)も有効だとされています。
関連:「筋膜リリース」とは?効果と方法をカンタンに解説。筋トレをする人にオススメ
各ワークアウトの詳細
それぞれのワークアウト内容です。
肩トレーニング
種目 | 週 | セット | 回数 | % 1RM |
ショルダープレス | Week1 | 3 | 5 | 65,75,85 |
Week2 | 3 | 3 | 70,80,90 | |
Week3 | 3 | 5,3,1 | 75,85,95 | |
Week4 | 3 | 5 | 40,50,60 | |
ディップス | 毎回 | 5 | 15 | |
懸垂 | 毎回 | 5 | 10 |
背中トレーニング
種目 | 週 | セット | 回数 | % 1RM |
デッドリフト | Week1 | 3 | 5 | 65,75,85 |
Week2 | 3 | 3 | 70,80,90 | |
Week3 | 3 | 5,3,1 | 75,85,95 | |
Week4 | 3 | 5 | 40,50,60 | |
グッドモーニング | 毎回 | 5 | 15 | |
ハンギングレッグレイズ | 毎回 | 5 | 10 |
胸トレーニング
種目 | 週 | セット | 回数 | % 1RM |
ベンチプレス | Week1 | 3 | 5 | 65,75,85 |
Week2 | 3 | 3 | 70,80,90 | |
Week3 | 3 | 5,3,1 | 75,85,95 | |
Week4 | 3 | 5 | 40,50,60 | |
ダンベルベンチプレス | 毎回 | 5 | 15 | |
ダンベルロー | 毎回 | 5 | 10 |
脚トレーニング
種目 | 週 | セット | 回数 | % 1RM |
スクワット | Week1 | 3 | 5 | 65,75,85 |
Week2 | 3 | 3 | 70,80,90 | |
Week3 | 3 | 5,3,1 | 75,85,95 | |
Week4 | 3 | 5 | 40,50,60 | |
レッグプレス | 毎回 | 5 | 15 | |
レッグカール | 毎回 | 5 | 10 |
やってはいけないこと
「5/3/1プログラム」の開発者であるジム選手は、プログラムを進める上で守って欲しいことを4つ指摘しています。
1、カスタマイズするな
他のトレーニングプログラムと組み合わせるのはNG。書かれているプログラム通りトレーニングをして、勝手に自分でカスタマイズしないこと。
2、補助種目で追い込みすぎるな
メイン種目を伸ばすためのプログラムなので、補助では「そこそこ」のトレーニングで十分。
3、正しい重量を扱え
キレイなフォームで扱える重量を選択すること。無理をしてはいけない。
4、ゆっくり成長しろ
「5/3/1プログラム」は、ゆっくりだが、確実に成長できる。急いで無理をして、ケガをしないこと(なお、ジム選手はワークアウトプログラムを12ヶ月と、年単位で組んでいるようです)
また、プログラムを成功させるためのポイントについても述べています。
プログラムを成功させるためのポイント
- 1RMを安全に計測するなら、3レップが限界の重量を計測するといい。3RMは、1RMの90%に値する
- 各ワークアウトの最終セットでは、自分が持っているすべての力を出し切って、限界までレップをおこなうこと
- 新たなサイクルを始める場合は、ベンチプレスとショルダープレスの1RMに2.5kg、スクワットとデッドリフトには5kgをプラスする。その後、すべてのセットでの使用重量を再度計算する
- ワークアウトは週4日以上やらない。3日連続でトレーニングしない
オフの入れ方
筋肉を成長させる重要な要素の1つに、休息があります。オフの取り方について、元記事では記載がなかったのですが、実際におこなうとすると次のような進め方がいいでしょう。
- 肩
- 背中
- オフ
- 胸
- オフ
- 脚
- オフ
肩と胸は同じプレス系種目なので、連続してトレーニングをすると筋肉が回復しきらず、効果的ではありません。
同じ理由で、デッドリフトとスクワットも似たような筋肉を使用するため、連続してトレーニングせず、日を空けます。
プログラムを勝手に変えず、開発者の意図を汲んでトレーニングする
「勝手に自分でカスタマイズしない」というのは、新たなトレーニングプログラムを試す時に、私が最も気をつけている点です。
開発者は多くの時間をかけて試行錯誤した結果、ベストなトレーニングプログラムを発表しています。
勝手にプログラムを改変して、「このワークアウトプランで結果は出なかった」などといっても、勝手に変えた自分が悪いのです。
トレーニング経験が中途半端にある中級者は特に注意が必要です。
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