「広島DF千葉和彦、禁止物質検出で暫定出場停止。クラブは意図的摂取を否定 」
引用:http://www.footballchannel.jp/2016/10/27/post181870/
ちょっと前のニュースなのですが、Jリーグの選手が「メチルヘキサンアミン」という成分が含まれているサプリメントを摂取し、JADAの規定によりドーピング違反となりました。
これを見て、私は「サッカー選手でもプレワークアウトを摂取するんだな〜」と初めて知ったのと同時に、「きっとうっかりやってしまったんだろうな」とも思いました。
メチルヘキサンアミンは興奮剤の一種で、海外のサプリメントにはよく含まれていて、知らずに摂取してしまい、「うっかりドーピング違反が出てしまう」という代表的な成分だからです。
こういったサプリメントの使用自体は問題ないとは思いますが、ドーピング検査があるプロスポーツ選手やフィットネス(ボディビルなど)関連の大会に出る選手は気をつけなければなりません。
そもそもプレワークアウトサプリメントとは?
プレワークアウトサプリメントとは、英語だとpre-workoutと記載され、文字通り「ワークアウトの前に飲むサプリメント」です。ボディビルダーの間では「プレ」や「NO(エヌオー)系サプリ」などと呼ばれ、近年とても人気が出ているサプリメントの1つです。
具体的には、以下のような効果があります。
- 集中力の向上
- パンプの感覚が増す
- 筋肉と神経の連動を良くする(運動能力を向上させる)
- 疲労感を減らす
私のブログでもファイナルパンプというプレワークアウトサプリをレビューした記事も書いています。
こういったプレワークアウト(NO系サプリ)を飲むのは基本的にボディビル選手や格闘系の選手だけかと思っていましたが、今では他のスポーツ分野にも広まっているようです。
実際、私の知り合いのプロバスケット選手も試合前にプレワークアウトを飲んで気合を入れていました(海外製品でしかも危ないサプリだったので止めるように言いましたが)。
ちなみに今回話題になっている「メチルヘキサンアミン」ですが、ドーピング成分になるだけあって、やはり効果はあります。競技のパフォーマンスを向上させたり、集中力の向上、脂肪燃焼などにも効果があるとされています。
プレワークアウトは海外サプリが発達している
私が知る限りでは、プレワークアウトを飲んでいる人はたいてい海外製品を飲んでいます。
というのも、こういった「プレワークアウトサプリ」は、やはりスポーツ・サプリメント先進国であるアメリカの独壇場なんですね。
日本でもプレワークアウトサプリを発売しているメーカーはありますが、海外製品の成分内容・コスパには太刀打ちできていない現状があります。
そして、私も海外のプレワークアウトを摂取したことがありますが、やっぱり海外製品は効くんですよね(カフェインの含有量がエゲつないですが・・・)。でも、
なんだかんだ言って、やっぱり海外サプリは優れている
のが事実です。だからみんなこぞって海外製品を摂取するんですね。ただし、ドーピング成分を理解して摂取している人はそこまで多くないと思います。
ですが、このブログでも何度も主張しておりますが、、、
プロスポーツ選手は絶対に安心とされているもの以外取ってはいけない!
と、私は常々思います。
より上のレベルを目指したいのはわかりますが、そのスポーツで生活しているわけですし、そのプロ選手を見るのが楽しみで日々の仕事を頑張っているファンもいるわけです。怪しいものを摂取するのは結果的に多くの人を悲しませてしまいます。
では、今回検出された「メチルヘキサンアミン」が含まれているかどうか、どう見分けたらいいのでしょうか?
実は、けっこうカンタンなんですよ。
見分けるポイントは、ゼラニウムが含まれているかどうか
今回の教訓から私たちが学べることは、「ドーピング検査をする必要がある人は、メチルヘキサンアミンを含むサプリメントを摂らない」ということです。
そしてそのための方法とは、
原材料に「ゼラニウム抽出物」または「ゼラニウムエキス」と記載されたサプリメントを摂取しない
これだけです。
というのも、メチルヘキサンアミンとは、ゼラニウム油と呼ばれるものに含まれる成分です。そこから抽出されたものが、ゼラニウム抽出物であり、その一種がメチルヘキサンアミンというわけです。
詳しく説明すると難しくなるので、ここでは「原材料に「ゼラニウム抽出物」と記載されたサプリメントを摂取しない」ということだけ覚えてもらえればうっかりドーピングを減らすことができます。
また、日本のメーカー(スポーツサプリメント会社)が発売しているサプリにゼラニウム抽出物が含まれているサプリは私が調べた限りではありません(現在2016/11/08)ので、今のところ気をつけなければいけないのは海外サプリということになります。
ちなみに、ゼラニウム抽出物は英語だと「zeranium extract」と表記されますので、原材料のところにこの文字があれば、そのサプリを買うのは「自己責任」ということになります。
実際、どのサプリがアウトなのか調べてみた
ということで、「実際、どのサプリがアウトなのか?」をちらっと調べてみました。
マッスルテック ニューロコア
サプリメントメーカーとしては超有名なマッスルテック社が出しているニューロコアがアウト・・・。普通に有名な製品なので、摂取したことがある人も多いはずです。
成分内容
Neurocoreコンプレックス 3406 mg
ビンポセチン 2mg
無水カフェイン 110mg
β-アラニン 1067mg
L -シトルリン 1,000 mg
クレアチンHCl 1,000 mg
ゼラニウムエキス 117 mg
ロディオラエキス 33 mg
Deanol酸性酒石酸塩 17 mg
マッスルテック ハイドロキシスティム
またしてもマッスルテック社(笑)。
成分内容(1カプセル中)
ゼラニウムエキス 177mg
無水カフェイン 100mg
Deanol酸性酒石酸塩 17mg
ヨヒンベエキス 40mg
Huperzineエキス 13mcg
基本的に良い製品を扱っている印象のマッスルテック社でさえこの状態なので、アメリカではそもそもゼラニウム抽出物の使用自体がNGではないという背景があるのでしょう。
おわりに
ちょっと調べただけでこれなので、まだまだたくさんありそうです。基本的に、メチルヘキサンアミンはプロテインには配合されていない成分なので、プレワークアウト系の海外サプリを買うときは気をつけておくといいでしょう。
ちなみにですが、ドーピング違反になるのはメチルヘキサンアミンだけではありません。他にも無数の違反成分が存在し、身近なものだと風邪薬もドーピングになってしまうので、検査がある人は注意が必要です。
「別に変なリスクを負いたくはないけど、トレーニング中の集中力やパンプは増やしたい」というだけなら、エクステンドを使えば十分だし安全です。