なんということだ…!
ミスターオリンピア2018、オープンクラスの結果が出ました。
ショーンローデンが王者フィルヒースを破り、新チャンピオンに輝きました。フィルは2位、ローリーウィンクラーは自身最高の3位に入賞です。
ミスターオリンピア2018:オープンクラス結果
- ショーンローデン
- フィルヒース
- ローリーウィンクラー
- ウィリアムボナック
- ブランドンカリー
1位:ショーンローデン
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今大会、抜群のコンディションだったショーンローデン。これまでずっとフィルに苦渋を飲まされてきた彼が、ついにミスターオリンピアの栄冠をゲットしました。43歳でのミスターオリンピア優勝は、オリンピアの記録上、クリスディッカーソン(1982年優勝)に並び、もっとも高齢での勝利になります。
自身も弱点だと認める背中やバックポーズ全体に関しては、フィルヒースに軍配が上がるものの、絞りはもちろんミッドセクション(お腹周り)は他を圧倒するクオリティでした。
ミスターオリンピアのコメンテーターを務める、往年のボディビルファンにはおなじみのショーン・レイも、「今回のショーンローデンは、過去最高のショーンローデンだ」と褒め称えていました。
インターネット上でも、「今年のショーンローデンはヤバイ」「フィルに勝つんじゃないか」などと、賞賛の嵐。優勝が決まった後、フィルの8連覇を望んでいた観客がブーイングをしていたようですが、ショーンは勝者としてふさわしい肉体を作り上げていました。
ーー選手コメント(インスタグラムより)
「失うものがない奴をどうやって倒せるんだ?誰が辞め方を知らないって?絶対に自分を信じることをやめるな。絶対にあきらめるな、絶対に戦いを止めるな。戦いがなくなるまで戦え。
ーー省略ーー
僕らのチャンピオン、フィルヒース。君が俺を突き動かしてくれた。君がいたからこそ、アスリートとして、ボディビルダーとして今ここにいる。
コーチのクリスは2012年から俺のことを信じてくれた。あなたみたいな人は他に誰もいない。毎日俺をボコボコにしてくれた、トレーニングコーチのサイコフィットネスにも感謝だ。
愛する妻のミシェル、最愛の娘コラへ。インスピレーション、モチベーション、そして目的をくれてありがとう。大きな力になっているよ。僕を信じてくれたファンにも感謝を言いたい。言っただろ、絶対に失望させないって。」
2位:フィルヒース
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目標としていた8連覇に、あと一歩及ばなかったフィルヒース。リー・ヘイニーやロニーコールマンの記録に並びたいと語っていましたが、残念ながら目標達成ならず。直前のインタビューでは「今回は今まで1番勝ちたい」と話していたので、そうとう悔しい結果になったはずです。
決して調子が悪かったわけではなく、ショーンローデンが良すぎました。
コンテスト後、フィルヒースは自身のインスタグラムでコメント動画をアップしています。
ーー選手コメント(動画より)
「うーん、まぁ、僕が望んでいた結果ではなかったね(笑)。
でも、こんなことはこれまでにもあった。ロニーコールマンだって、ジェイカトラーだってチャンピオンのときに負けて、また勝ったよね。僕はそれを見ていた。
たしかに今、かなりツライけど、こればっかりはしょうがない。ファンやその他関わってくれた方々に感謝を伝えたい。僕が望んだ結果ではなかったけど、みんなショーを楽しんでくれたと思う。
これから今回の負けをゆっくり”消化”していくよ。ショーンローデン、おめでとう。」
ーーインスタグラム上でのコメント
「まずはじめに、新しいチャンピオンのショーンローデンにおめでとうといいたい。グチをいうつもりはないし、誰も批判する気はない。
男は勝ったときじゃなく、ノックダウンされたときにまた起き上がれるかどうかでその価値が決まる。そして、僕は倒れたままでは終わらないよ。
でも、すこし時間をとって、ゆっくりと次のプランを練るとする。みんな(僕をディスってた人も含めて)、ありがとう。ーー以下省略ーー 」
3位:ローリーウィンクラー
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自身最高の3位に入賞したローリーウィンクラー。数年前までは調整があまりうまくいっていない印象が強かったのですが、今年はアーノルドクラシックオーストラリアで優勝するなど、調子が良さそうなようす。
また、今回のオリンピアから導入された、ファンのネット投票で決まる「People’s Olympia」では1位を獲得しました。
4位:ウィリアムボナック
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2018年のアーノルドクラシックUSAの王者は、4位に入賞です。2017年のオリンピアでは3位だったので、ランクがひとつ下がってしまったウィリアムボナック。
ただ、やはり彼特有のまるまるとした「鉄球」のような肉体は健在です。どこを見ても丸く、画面越しでも迫力満点です。
コメンテーターのショーンレイがいうには、「すこし水分を含んでいる印象だった」とのこと。
5位:ブランドンカリー
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ビッグラミー(6位)、デキスター・ジャクソン(7位)を破り、自身初のトップ5に入賞したブランドンカリー。筋肉がきれいな形をして、バランスよく大きく発達しています。今後に期待!
ーー選手コメント
「やったぜ!今年は良い結果に終わった。これからもっと活躍していきます!ありがとう!」
6位:ビッグラミー
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2017年のミスターオリンピアでは準優勝をしたビッグラミーですが、今回はコンディションを外してしまい、6位という結果に終わりました。全体的にすこしフラットな印象です。
自身のインスタグラム上では「ファンに申し訳ない」と謝っていましたが、温かいコメントがファンから寄せられており、ラミーの人柄が伝わってきます。
ーー選手コメント(インスタグラムより)
「多くのサポートをありがとうございます。ほとんどの方は失望して、怒り、私を嫌いになったことでしょう。申し訳ないと思っています。
いろんな人が「これをしろ、あれをしたほうがよかった」などと言いますが、オリンピアのステージに立つことがどれだけ大変か、なかなか理解してもらえません。
いろんなコメントを読みましたが、私は自分のベストを尽くしました。プレップはとてもハードで、できるかぎりのことはしたつもりです。
ですが、これからすべてを変えようと思っています。この負けが自分を止めることは絶対にないし、こんなことは二度と起こさせません。」
負けて謝るとは、日本人と似たような気質があるのでしょうか。コンディションさえ良ければオリンピアになれる可能性はじゅうぶんにありますし、これから期待したいところ。
スコアシートとトップ10順位
順位 | 選手 | ジャッジ | ファイナル | 合計 |
1 | ショーン・ローデン | 7 | 6 | 13 |
2 | フィル・ヒース | 8 | 9 | 17 |
3 | ローリー・ウィンクラー | 15 | 15 | 30 |
4 | ウィリアム・ボナック | 20 | 20 | 40 |
5 | ブランドン・カリー | 25 | 28 | 53 |
6 | ビッグラミー | 37 | 27 | 63 |
7 | デキスター・ジャクソン | 35 | 35 | 70 |
8 | ネイサン・デアーシャ | 31 | 41 | 72 |
9 | セドリック・マクミラン | 45 | 44 | 89 |
10 | スティーブ・ククロー | 50 | 50 | 100 |
ショーンが13点、フィルが17点。プレジャッジの時点では1ポイント差でしたが、ファイナルで差をつけたショーンが完全に勝利しました。
バックポーズではフィルが勝っていたのにもかかわらず、ジャッジ、ファイナルともにショーンのほうが評価が高い。ということは、今回と同じコンディションをショーンが作ることができれば、連覇の可能性もあるということなのか…?
筆者ひとりごと
ショーンのクオリティに大きな衝撃を受けたものの、「なんだかんだでフィルが勝って8連覇するんだろうなぁ」と思ってたら、ショーンローデンがまさかの優勝。いや、「まさかの」なんていったら失礼ですね。ショーンのフィジークは、間違いなく優勝に値する体でした。
MCが「2018年のミスターオリンピアは、、、、、ニューオリンピア!」と言った時点で、今年1番の雄叫びをパソコンの前で発してしまった私…。コンテストを見ていて、体じゅうに鳥肌が立ったのは初めての経験かもしれません。それほど、衝撃的な結末でした。
ただし、フィルのコメントを見るかぎりでは、来年のミスターオリンピアも出場しそうです。さらにインプルーブして、強烈なカムバックをしてくれることに期待して、また1年間ゆっくり待ちましょうかね。
ショーンローデン、本当におめでとうございます。
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