脚を前後(大腿四頭筋/ハムストリングス)で鍛え分けられたら、脚トレの肉体的・精神的負担が大きく減ります。つまり、脚の筋トレ日に毎回怯えなくて済むということです(ハードなトレーニーなら共感できるはず…)。
しかし、脚を前後で鍛え分けるのは難しく、練習や経験が必要です。
この記事では、前後に分けて鍛え分けるメリット、デメリットや方法を解説していきます。
なぜ脚を前後(大腿四頭筋・ハムストリングス)に分けて筋トレするのか?そのメリットとは
なぜ、ボディビルダーには脚を前後(大腿四頭筋・ハムストリングス)で分けて鍛える人がいるのか?
理由はいくつかあります。
- 精神的、体力的に楽になる
- 各部位にフォーカスして鍛えられる
- 減量時に有効
・精神的、体力的に楽になる
脚の種目は多く、とてつもないエネルギーを必要とします。スクワットもきついですが、レッグプレス、ハックスクワット、ランジなどをすると、もうヘロヘロですよね。そんな集中力やパワーが下がった状態で、ハムストリングスやふくらはぎの種目をすると、クオリティも落ちてしまいます。
・各部位にフォーカスして鍛えられる
大腿四頭筋が苦手なのでもっと鍛えたい、ハムストリングスが弱いのでもっと鍛えたい、という場合に便利です。
・減量時に有効
脚を前後に分けることで、減量時でエネルギーが少ない時期でもトレーニングのクオリティを落とさずに済みます。
デメリット
- 週のトレーニング日が増える
脚を2つの日に分けて筋トレするため、どうしてもトレーニング日が増えます。忙しい人にとってはむずかしいかもしれません。
自分はどうしたらいい?脚を前後に分けてトレーニングしたほうがいい人、しなくてもいい人
ボディビルダーの中でも「脚を前後に分ける派」と、「まとめてトレーニングする派」に分かれます。最終的には自分の好みで決めていいでしょう。
したほうがいいかもしれない人
・大腿四頭筋、ハムストリングスのどちらが極端に弱い
・脚の筋トレがつらい、しんどい
・ボディビルコンテストに出たい
ボディビルダーのような体に憧れている人は試してもいいかもしれません。
しなくてもいい人
・一般トレーニー
・ベストボディやフィジーク競技に出たい
当たり前かもしれませんが、そこまで本気に鍛えていないという場合は、前後に分けて鍛える必要はありません。また、ベストボディやフィジーク競技では脚はほぼ評価に入らないため、分ける人は少ないです。
脚を前後に分けて鍛えるスキルがない場合は練習あるのみ
「大腿四頭筋とハムストリングスで鍛え分けるの、むずかしくない?」
はい、はっきり言って簡単ではありません。練習あるのみです。筆者の経験では、筋トレ歴5年あたりから、前後で効かせ分けられるようになりました。はじめは「前後で分ける?え、そんなの無理。」と思っていましたが、次第に上達していくものです。
とはいえ、できないから練習するのであって、「今の自分のレベルじゃまだ早いかな・・・」と考える必要はありません。やりたいと思ったときがベストタイミングです!
・完全に効かせ分けようと思わない
大腿四頭筋とハムストリングスを、完全に効かせ分けるのはほぼ不可能です。超上級者にはできる人もいますが、スクワットをするとどうしてもハムストリングスにも刺激は入ります。大腿四頭筋を筋トレした翌日に、「ハムストリングスがうっすら筋肉痛であれば上出来」くらいに捉えておくといいでしょう。
分割例
脚を前後に分ける分割をすると、たとえばこんなルーティンになります。
- 胸
- 背中
- 腕
- 大腿四頭筋
- 肩
- ハムストリングス、カーフ
大腿四頭筋を筋トレした翌々日にハムストリングスとふくらはぎ(カーフ)をトレーニングしています。
大腿四頭筋を筋トレした翌日にハムストリングスをトレーニングする人もいるので、自分のやりやすいようにルーティンを組むといいでしょう。
大腿四頭筋を鍛えるための種目例
- レッグエクステンション
- スクワット
- かかとにプレートを引いてスクワット
- スミスマシンスクワット
- レッグプレス
- ハックスクワット
おすすめ種目・コツ
・最初にレッグエクステンションをする
大腿四頭筋を狙う場合は、まず最初にレッグエクステンションをして、大腿四頭筋や大腿直筋をパンプさせておくと、それ以降の種目でも大腿四頭筋に刺激が入りやすくなります 。
・かかとにプレートを引いてスクワット
通常のスクワットで大腿四頭筋を狙いにくいのであれば、かかとに1.25kgもしくは2.5kgプレートを引いてスクワットをしてみましょう。こうすることで大腿四頭筋がより刺激されやすくなります。その際、バーベルは僧帽筋上部あたりにかつぎ、上半身をまっすぐ立てるのもポイントです。
上半身は立てる
・母子球あたりで踏み込む
足の裏の母子球あたりで踏み込むと、大腿四頭筋が働きやすくなります。
ハムストリングスを鍛えるための種目例
- レッグカール(シーテッド)
- レッグカール(ライイング)
- ルーマニアンデッドリフト
- ボールレッグカール
- ワンレッグマシンカール
- バックエクステンション
おすすめ種目・コツ
・なにはともあれ「レッグカール」
ハムストリングスを鍛える王道の種目です。この場合、よりレンジが広く、刺激を入れやすいライイングレッグカールをおすすめします。
・ルーマニアンデッドリフト
難易度は高めですが、ハムストリングスにストレッチ刺激を与えられるルーマニアンデッドリフトもおすすめです。バーベルやダンベルを使えば大きな刺激を与えられます。普通のデッドリフトとの違いは次の記事で解説しています。
関連:デッドリフトとルーマニアンデッドリフトの違い。動きの意識がポイント
・バックエクステンション
背中の種目と思われがちですが、ハムストリングスや臀筋を使っての動作ができるなら、バックエクステンションは最高のハムストリングス種目になります。「上半身を持ち上げるのではなく、下半身を馬のように後ろ側に蹴るイメージ」をすると、ハムストリングスをより使うことができるので試してみてください。