筋トレに慣れ始めた頃に聞くのは、「トレーニングは部位ごとで分割をして鍛えたほうがいい」というウワサ。
たしかに、慣れてきたら分割をすることで、より効率的に鍛えることができます。
「でも、何から始めたらいいかわからない」という人もいるでしょう。
そんなときは、筋トレ界で昔から根強い人気のある「プッシュ・プル・レッグス分割」を試してみてください。
プッシュ・プル・レッグス分割とは、押す系、引く系、脚の筋肉で分けるルーティン
プッシュ・プル・レッグス分割とは、筋肉を「押す系」「引く系」「脚」の3つに分け、種目を構成する方法です。
昔から非常にポピュラーな分割方法で、「大胸筋を鍛える種目といえばベンチプレス」「脚を鍛える種目いえばスクワット」といったように、筋トレ分割の代表的な方法です。
具体的には、次のように分けて体を鍛えます。
- プッシュ:大胸筋、肩、上腕三頭筋
- プル:背中、上腕二頭筋
- レッグス:大腿四頭筋、ハムストリングス、ふくらはぎ
プッシュ・プル・レッグス分割はどんな人に向いているのか
すこしでも「ゴツくなりたい」と思っている人におすすめです。入門的な分割方法でもあり、初心者にはとっつきやすいでしょう。
かといって、中級者に向いていないというわけでもありません。種目数や強度を増やせば上級者にだって対応できる、万能ルーティンです。
プッシュ・プル・レッグス分割のメリット、デメリット
メリット
バランスが良く、見栄えのよい体を作ることができる
デメリット
プッシュ系、プル系の筋肉が被る
メリット:体を全体的に大きくすることができる
プッシュ・プル・レッグス分割は、全身をまんべんなく鍛えることができるルーティンです。
ボディビルやフィジークなどのフィットネス選手のあいだでは一般的な分割で、昔から根強い人気があります。あの「シュワちゃん」も好んで使用していたことでも有名です。
脚は筋トレしたくない、脚を太くしたくない場合は、脚の日に重たいウェイトを扱わない、有酸素運動に変えるなどをして応用できます。
デメリット:プッシュ系、プル系の筋肉が被る
プッシュ系の日は、大胸筋→肩→上腕三頭筋という順番で鍛えるため、どうしても肩や三頭筋は疲労した状態で筋トレをすることになります。同じように、プル系では背中→上腕二頭筋の順番のため、二頭筋に新鮮な刺激を与えることはむずかしくなります。
人によってはこれが嫌で、プッシュ・プル・レッグス分割を使わない人もいます。
しかし、これはフィットネスコンテストに出場するボディビルダーやフィジーク選手といった、肩や腕が数センチ違うだけで勝ち負けが変わる人たちに限った話です。
夏のビーチで映える体を作りたい、Tシャツの似合う体になりたい、こどもを抱っこするときに腕を太く見せたいといった目的の人にとっては、筋肉がかぶることはあまり問題ではありません。
ルーティンの進め方
プッシュ・プル・レッグス分割では、週に3日筋トレをします。
頻度を増やす応用編は後で紹介していますので、ここではまず基本をみていきましょう。
- プッシュ
- オフ
- プル
- オフ
- レッグス
- オフ
- オフ
※オフ=休養日
休養日は、各筋トレの翌日に設定するのが理想です。筋肉をしっかり回復させてから、次の筋トレに臨むことができます。
しかし、仕事や家庭の事情で、上記のような休養日がとれないこともあるでしょう。
その場合、自分のタイミングで休養日をとっても大丈夫です。3日連続で筋トレをしても構いません。
ただ、脚を鍛えるには多くの体力が必要なため、できるならレッグスの前後に休養をはさみたいところです。
各筋トレ時間:45〜90分
1回ごとのトレーニング時間は、あなたがどれだけの筋トレ時間を確保できるかによって変わります。
一般的には、短くて45分、長くても90分と考えておくといいでしょう。筋トレ時間が少ない場合は種目数を減らし、多い場合は増やして調整します。
「自分は忙しいので30〜45分くらいに抑えておくか」
「自分は時間がたくさんあるから90分くらいはいけるな」
どちらも正解です。
「絶対に〜分筋トレしなければならない」なんてルールはありません。自分にとって続けやすい方法を、長い期間続けることのほうが大切です。
プッシュ・プル・レッグス分割:サンプル種目
初心者向け
- プッシュ
- ベンチプレス
- ダンベルフライ
- ダンベルショルダープレス
- ダンベルサイドレイズ
- ケーブルプレスダウン
- プル
- ラットプルダウン
- デッドリフト
- ワンハンドダンベルロー
- バーベルカール
- シーテッドダンベルカール
- レッグス
- スクワット
- レッグプレス
- レッグエクステンション
- レッグカール
セット数:3
レップ数:8〜12
3セットとも12回クリアできたら、次回のトレーニングでは、8回ができるくらいの重さを使用します。
たとえば、ベンチプレスを例にとると次のような進め方になります。
ベンチプレス:80kgを使用し、3セットとも12回クリア → 次は82.5kgにして、3セット8回を目指す。その次は重量を変えずに、3セット9回、それができたら3セット10回。といったように、前回よりも1回でも多く上げられるようにがんばります。
中級者向け
- プッシュ
- ベンチプレス
- インクラインダンベルフライ
- ディップス
- ケーブルクロスオーバー
- ダンベルサイドレイズ
- ケーブルサイドレイズ
- プル
- デッドリフト
- 懸垂
- ワンハンドダンベルロー
- ロープーリーロー
- ダンベルリアレイズ
- バーベルカール
- シーテッドダンベルカール
- レッグス
- スクワット
- ルーマニアンデッドリフト
- レッグプレス
- ブルガリアンスクワット
- レッグエクステンション
- レッグカール
- カーフレイズ
セット数:3〜4
レップ数:6〜12
重量の増やし方は初心者向けの種目例でお話したように、設定した回数がクリアできたら重量を少し増やします。
応用編:週4日、週6日に増やすパターン
応用編として、週4〜6日に増やす方法もあります。
週4日
- プッシュ
- プル
- オフ
- レッグス
- オフ
- プッシュ
- オフ
最後のプッシュが終わったら、次の週はプルからはじめます。その週はプルが2回、その次の週はレッグスが2回、というように、それぞれのトレーニング頻度を増やすことができます。
- 1週目:プッシュ 2回
- 2週目:プル 2回
- 3週目:レッグス 2回
週3日では物足りないという方はトライしてみましょう。
週6日
ボディビルダーやフィジーク選手など、「究極」を目指す人の中には週6日バージョンを採用する人もいます。
- プッシュ
- プル
- レッグス
- オフ
- プッシュ
- プル
- レッグス
単純に、休養日を減らしてトレーニング頻度を増やします。ただしこれ、かなりツラいうえに多くの時間が必要で、「筋トレに人生を捧げる覚悟」がある人しか採用できません。
自分でメニューを組み立て、体調や回復具合も見極められる、中級者〜上級者向けです。
この分割を検討する時点で中上級者だと思うので、この記事では詳細を割愛します。
まずは週3日からはじめてみよう
プッシュ・プル・レッグス分割は初心者や経験者、すべての人におすすめできる万能なルーティンです。ぜひ、試してみてください。
「他の分割方法も検討したい」という場合は、次の記事をチェックしてください。