はじめに。
これまでと変わりない生活をおくりたいなら、この本は読まないことをおすすめします。内容があまりにも強烈だからです。人によっては嫌悪感すら感じるでしょう。
タイトルのとおり、中国やアメリカ食品の危険性について指摘している本です。
こういったタイプの本はたいてい極論で、ロジックが飛躍していることがほとんどです。事実、「これはさすがに言いすぎなんじゃ?」という部分もあります。
ただ、火のないところに煙は立ちません。
すくなくとも私にとっては、自分たちが普段食べているものが、どのように作られているのかを知る良い機会になりました。
アメリカ牛肉の安全性
出だしから強烈な文言が飛び込んできます。
「アメリカから輸入される牛肉には、国産牛の600倍の女性ホルモン(残留エストロゲン)が含まれている」
数値を測定したのは、どこかの反日家でもなんでもなく、北海道大学で遺伝子を研究する医師です。
アメリカに限らず、カナダ、オーストラリア、ニュージーランドでは、牛に対する「肥育ホルモン剤」としてエストロゲンの使用が認められています。かんたんに言うと、成長を早めるための薬です。
論点になるのは、「これが実際にどれだけ人体に悪影響を及ぼすのか」ということ。いろんな国で使用が認められているのだし、からだに無害なら、それほど騒ぐ必要もないですよね。
しかし、80年代にイタリアの少女が、アメリカからの輸入牛肉を食べ、乳房がふくらむなどの異常が出ました。これをきっかけに、EUはアメリカ牛肉は危険だとして輸入禁止の措置をとります。
じゃあ、なぜ日本は輸入を続けているのか。本によると、「日本政府も残留エストロゲンが2〜3倍出ていることは把握している」「そのうえで、人体に影響はないとして認めている」とのこと。
ん…?”2〜3倍”……?
北海道大学の先生が計測した数値では、”600倍”という結果になったはずだが…。
本によると、北海道大学のほうが精度が高い計測方法を使用しているらしい…。むむッ…!むむむッ…!
ただ、これらの食事にもし本当に悪影響があったとしても、影響が出てくるのは20、30年後。つまり、その頃にガンになったとしても、「20〜30年前に食べた牛肉が原因だ」なんて、だれも証明できないんです。これが1番怖い。
中国の富裕層は中国の食品を信用していない
この本では、アメリカ産牛肉だけでなく、中国の食品全般にたいして、警報をならしています。
記者が実際に中国の農村まで行き、農家に取材している場面の描写が強烈です。中国現地の農家は、「出荷用の農作物」と「自分たちが食べる農作物」は分けて作っているというのは、衝撃的でした。
親切な農家の方が農作物を食べさせてくれるとのことで、記者が農作物に手を伸ばしたところ、「ダメダメ!そっちは食べないほうがいいよ。こっちのほうが安全だから食べなさい」と静止されたとか…。なにそれ、めっちゃ親切やん。
その他にも、現地の富裕層は外資系のスーパーマーケットでしか食材を買わないだとか、劣悪な衛生環境など、読んでいて気持ち悪くなる内容のオンパレードです。ここは読むのがツラかった…。
この情報をどう受け止めるか
軽い気持ちで読みはじめたのに、内容が衝撃的すぎて、気がつくと2時間ほどぶっ続けで読んでしまいました。同時に、食品の作られ方の現実を知り、少し気持ち悪くなってしまった。この本を読むと、ほとんどの食品が食べられなくなってしまう…。
もちろん、この本に書いてあることすべてを信用してはいないし、私の意見ではないことも理解していただきたい。ただ、少なくとも、嫁と娘には食べさせなくないと思った。
本の内容にもし本当に信憑性があると判断したら、今後のからだ作りのための食事を大幅に変更しなければならない。肉ではなく、魚が中心のミールプランにするかもしれない。
私がここまで敏感になるのは、からだ作りをする人ならわかるかもしれないが、年間にすると、大量の牛肉を食べているからだ。人より何倍も多く食べるぶん、残留物質も多くたまる。考え過ぎかもしれないけど、やはり一家の主として家族を守る義務があるので、健康問題には気をつけなければいけない。この前の健康診断、引っかかったし。
この本をもし読むのなら、あくまでもひとつの意見として、距離をとって読むことをおすすめします。影響されやすい人は要注意です。信じるか信じないかはあなた次第ですぞ。
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