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「ストレッチに筋肉痛予防・軽減の効果はない」という研究結果が多数

「トレーニング前後にストレッチをしても、筋肉痛を予防・軽減できない」ことが、複数の研究により報告されています。

とはいえ、運動前のストレッチには運動パフォーマンスを向上する効果があります。

この記事では、「様々なタイプの運動に対して、どんなストレッチが最適なのか」について、エビデンスをもとに考えていきます。

ストレッチは筋肉痛を軽減しない

「本当に?」と私も疑問に思っているのですが、数々の研究により「ストレッチは筋肉痛を改善しない」という説が現時点では有力です。

被験者が少ない研究なのかと思いきや、2300人を対象にした大規模な研究もおこなわれており、信用度は高そうです。

参考:The Effects of Stretching on Performance : Current Sports Medicine Reports

アメリカのNSCAは、「筋トレ後の静的ストレッチは、血流を滞らせて、回復を遅らせる」とまで言っています。
(NSCAとは世界的に有名なトレーニング資格の発行機関)

うーむ・・・。では、ただのプラシーボ効果(思い込み)なのか?

たしかに、激しい筋肉痛を感じているときにストレッチをしても、あまり変わらない気もしますが、「筋膜リリース」をすると筋肉痛がやわらぐ感覚があります。
ただ、前回と同じトレーニングをしているわけではないし、仮に前回と同じトレーニングをしたら身体は慣れているので筋肉痛は発生しにくい。

プラシーボ効果でも筋肉痛がやわらげばOKとしておきましょう…。反証の実験結果を待つのみですね。

では、ストレッチに何も効果がないのか?というと、そうではありません。

どちらかといえば、「筋肉痛を予防・軽減するのが目的」というよりは、「パフォーマンス向上やケガの予防」という目的でストレッチをおこなう人が多いはず。

安心してください。「ストレッチによるパフォーマンス向上」については、数多くの研究で証明されています。

ストレッチはパフォーマンス向上に効果的。ただし動的ストレッチのみ

結論からいうと、パワー系、スピード系のスポーツに関しては、「動的ストレッチ(ダイナミック・ストレッチ)」がパフォーマンス向上に効果的です。

「動的ストレッチ」とは、例えばこんな動きのことをいいます。

(Backward Reach Run)

動きの中で筋肉を温めていく方法です。運動部に所属していたら、経験したことがあるでしょう。スポーツの現場では、「ダイナミック・ストレッチ」と呼ばれることが多いですね。このような動的ストレッチは、スポーツのパフォーマンスを高めます。

マックス

筋トレの場合は、ウェイトをつけずにバーベルだけでスクワットやデッドリフトをリズムよくやる方法なんかも「ダイナミック・ストレッチ」に入るな。

筋力や爆発的な運動の前に動的ストレッチ

たとえば、動的ストレッチをゴルフの練習前におこなった場合、「クラブヘッドやボールのスピードが向上した」ことがわかっています。

また、動的ストレッチと5分ほどのジョギングをした場合も、パフォーマンスの向上が見られました。

ただし、動的ストレッチとヘビーなデッドリフトやスクワットをした場合、パフォーマンスは低下したこともわかっています。

スピードやアジリティトレーニングでも動的ストレッチは有効

速度や俊敏性が鍵を握る、「走行競技」「サッカー」「バスケ」などのスポーツ前でも、動的ストレッチは有効です。

動的ストレッチと800mのジョギングをしたところ、50メートル走のタイムが向上したことがわかっています。

他にも、動的ストレッチだけをおこなったときより、動的ストレッチとフロントスクワットを組み合わせたほうが、スプリント能力が上がったという報告も。

ただし、3セット以上の動的ストレッチをすると逆効果で、スプリント能力は下がりました(*)。

私は高校生のときにバスケをしていましたが、試合前に何本ものシャトルランをやらされていました。あれは逆効果だったということですね…。

MEMO

スピード・俊敏性が必要な競技では、動的ストレッチをやりすぎてはいけない。

持久系の運動ではエビデンスが不足

マラソンなどの持久系のスポーツに関しては、研究数が少ないため明確に効果があるとは言えません。

とはいえ、身体を動かすという点においては共通しているため、パワー系/スピード系のスポーツに有効と証明されている動的ストレッチが、持久系スポーツで悪影響があるとは考えにくい。

同じように、動的ストレッチをメインにウォームアップをするといいでしょう。

MEMO

ほとんどのスポーツにおいては、ジョギングや軽いワークアウトなど、動きの中で筋肉をウォームアップしたほうが、パフォーマンスは向上する傾向にある。

参考:The Effects of Stretching on Performance : Current Sports Medicine Reports

静的ストレッチはパフォーマンスを低下させる

動きの中で筋肉を温める動的ストレッチに対して、筋肉をゆっくり伸ばすような静的ストレッチ(スタティック・ストレッチ)は逆効果で、パワーや筋力、スピードが下がったという報告が数多くあります。

筋力・爆発力メインの運動

参考資料によると、ベンチプレスの前に静的ストレッチをおこない、「1RMが低下した」ことがわかっています。
1RMとは、「1回だけできる限界の重量」という意味で、つまり「静的ストレッチをすることで、力を発揮しにくくなった」ということ。

ただし、「静的ストレッチを15分以内に抑えて、かつ5分ほどのジョギングの後であれば、パフォーマンスに影響はなかった」という報告も。

スピード・アジリティの運動

「スピード系の運動前の静的ストレッチは有害」という報告が多くあります。

スプリント系の能力が、動的ストレッチをしたときに対して、落ちる傾向が出ています。

少し面白いと思ったのが、「身体が柔らかい人は静的ストレッチによる悪影響を受けたのに対して、身体が固い人は静的ストレッチをすることによって良い影響があった」という点。この説が正しいのならば、「もともと柔らかい人は動的ストレッチだけで十分」ということになりますが・・・。

MEMO

「静的ストレッチが悪影響」というよりは、「静的ストレッチだけをすることが悪影響」といった感じ。ジョギングなどを組み合わせると良さそうです。

静的ストレッチに効果はないのか?

では、静的ストレッチにまったく効果はないのか?
そうでもなさそうです。

とある研究(*)によると、「就寝前にストレッチをすると、睡眠中の筋肉の痙攣が減った」ことがわかっています。

個人の感想にはなりますが、就寝前にストレッチや筋膜リリースをすると、翌朝の身体が軽い感覚があります。するのとしないのでは、疲労度にも差があるように感じますね。

年齢を重ねるにつれて柔軟性は減り、固い筋肉はケガの原因にもなります。
トレーニング前後には逆効果とはいえ、それ以外のタイミングでおこない、柔軟性をキープしておきたいところ。

MEMO

静的ストレッチにも人権はある。

まとめ

ポイント
  • ストレッチに筋肉痛改善の効果はなさそうだが、議論はまだ続いている
  • ほとんどのスポーツにおいては、動的ストレッチとウォームアップの組み合わせが有効
  • ただし、動的ストレッチもやりすぎてはいけない
  • 静的ストレッチだけをおこなうと、パフォーマンスが低下する傾向がある
  • 15分以内の静的ストレッチと5分のジョギングをしたところ、パフォーマンスに悪影響はなかった

個人的には、トレーニング前後は「筋膜リリース」をしています。
痛みは感じますが、筋肉を効率的にやわらかくできるので、とても重宝しています。

筋膜リリースについては、次の記事を参考にしてみてくださいね。

「筋膜リリース」とは?効果と方法をカンタンに解説。筋トレをする人にオススメ