- 弱点部位を強化するのにオススメのトレーニングルーティンの紹介
- 週4日で、各部位を2回鍛える
- 筋トレを1〜2年以上続けている人向き
弱点部位を強化したり、プラトーを打破するのにオススメのトレーニングルーティンを紹介します。
ざっくり、次のようなルーティンです。
- 胸、背中
- オフ
- 脚、肩
- オフ
- 胸、背中、上腕二頭筋
- オフ
- 脚、肩、上腕三頭筋
胸、背中、肩、脚といった、主要な部位を週に2回刺激することで筋肉の成長を狙います。
実際に2ヶ月ほど試してみましたが、個人的には大きな効果を得ることができました。
「各部位を週一回鍛えていて、なかなか筋肉が大きくならない」と悩んでいる場合は、ぜひこのルーティンを試してみてください。
ルーティンの進め方や、やってはいけないことなど、詳しく解説していきます!
マックス
WHルーティンの概要
今回紹介するルーティンを、仮に「WHルーティン」と名付けます。
- A1:胸(上部)、背中(上部)
- オフ
- B1:脚(大腿四頭筋)、肩(前部、中部)
- オフ
- A2:胸(下部)、背中(下部)、上腕二頭筋
- オフ
- B2:脚(ハムストリングス、臀筋、カーフ)、肩(リア)、上腕三頭筋
胸・背中・脚・肩を、週に2回ずつ鍛えるルーティンです。
わかりやすくするため、「胸・背中」の日をA1、A2。「脚・肩」の日をB1、B2と呼びます。
B2の後にはオフを入れます。
1ヶ月単位で考えると、1週間のうち、トレーニング日数が4日と、3日の週に分かれます。
日 | 1週目 | 2週目 | 3週目 | 4週目 |
月 | A1 | オフ | B2 | オフ |
火 | オフ | A1 | オフ | B2 |
水 | B1 | オフ | A1 | オフ |
木 | オフ | B1 | オフ | A1 |
金 | A2 | オフ | B1 | オフ |
土 | オフ | A2 | オフ | B1 |
日 | B2 | オフ | A2 | オフ |
結果的に、腕以外の主要な部位は均等に鍛えることができます。
- 胸・背中:7回
- 肩・脚:7回
- 腕:4回
マックス
WHトレーニングルーティンのポイント
それでは、WHルーティンの詳細を解説していきます!
- A1:胸(上部)、背中(上部)
- オフ
- B1:脚(大腿四頭筋)、肩(前部、中部)
- オフ
- A2:胸(下部)、背中(下部)、上腕二頭筋
- オフ
- B2:脚(ハムストリングス、臀筋、カーフ)、肩(リア)、上腕三頭筋
各部位を細かく分ける
WHルーティンでは、各部位を細かく分けてトレーニングを構成します。
- 胸・背中:上部と下部で分ける
- 脚:大腿四頭筋・ハムストリングスで分ける
- 肩:前部、中部、後部で分ける
細かく分けることで、バランス良く筋肉がつきます。
また、各部位をオーバーワークさせない狙いもあります。
ただし、同一筋肉の動きを完璧に分けるのは難しいため、あくまでも「大まかに分ける」という意識で十分です。
マックス
優先したい部位を決める
WHルーティンでは、どの部位を優先的に成長させるかを決めて、トレーニング前半に鍛えます。
トレーニング前半は体力的に余裕があるため、パワーや集中力が発揮しやすいためです。
私の場合、優先したい部位は大胸筋。
トレーニングを始めた頃から苦手で、他の部位に比べると発達が遅い、残念な部位です…。
そのため、胸・背中の日では、胸を先にトレーニングします。
脚・肩の日は、脚を優先させたいため、脚を先にトレーニングします。
優先したい部位は、ご自身で決めてください。
もし、背中が苦手なら、胸ではなく背中を先にトレーニングしたほうがいいでしょう。
腕は週に1回鍛える
WHルーティンでは、腕(上腕二頭筋、上腕三頭筋)の刺激は週に1回のみです。
胸や背中のトレーニングでも、腕の筋肉に刺激が入るため、週1回で十分と考えています。
オフを挟んでもいいし、挟まなくてもいい
人によっては、仕事の都合や気分などで「1日おきにトレーニングをするのは嫌だ」という人もいるでしょう。
そんな場合は、「2日トレーニングして、1日オフ」というルーティンにしてもOKです。
どちらも試してみて、自分の生活にあったルーティンを選べばいいと思います。
ただし経験上、胸と背中をトレーニングした翌日に、肩と足をトレーニングするのはしんどいですね。
WHルーティンでおこなうトレーニング種目
それでは、各トレーニング日におこなうトレーニング種目についてお話ししていきます。
マックス
- A1:胸(上部)、背中(上部)
- オフ
- B1:脚(大腿四頭筋)、肩(前部、中部)
- オフ
- A2:胸(下部)、背中(下部)、上腕二頭筋
- オフ
- B2:脚(ハムストリングス、臀筋、カーフ)、肩(リア)、上腕三頭筋
A1:胸(上部)、背中(上部)
種目 | セット数 | レップ数 |
ペックデック | 4 | 12〜15 |
インクラインマシンプレス | 4 | 10〜12 |
インクラインダンベルフライ | 3 | 10〜12 |
懸垂 | 3 | 10 |
ラットプルダウン1 | 4 | 10〜12 |
ラットプルダウン2 | 4 | 10〜12 |
胸:フライ系・収縮種目から始める
私は大胸筋が苦手なので、最初はペックデックかケーブルクロスオーバーでウォームアップをしつつ、パンプを溜めることが多いです。
こうすることで、次の種目から大胸筋に刺激を与えやすくなります。
背中:握り方を変える
ラットプルダウンが2種類あるのは、グリップ(握り方)を変えているためです。
オーバーハンド、アンダーハンド、パラレルグリップ、ストレートバーなど、バリエーションをつけてラットプルダウンをおこないます。
懸垂は、背中全体を刺激できますが、ここでは上部を狙う種目として採用しています。
B1:脚(大腿四頭筋)、肩(三角筋前部、中部)
種目 | セット数 | レップ数 |
レッグエクステンション | 3 | 12〜15 |
スクワット | 4 | 6〜10 |
レッグプレス | 3 | 8〜12 |
シシースクワット | 2〜3 | できるだけ |
ショルダープレス | 3 | 10 |
サイドレイズ | 4 | 12〜15 |
フロントレイズ | 4 | 12〜15 |
脚:まずは膝を温める
レッグエクステンションで膝をウォームアップして、スクワットなどのコンパウンド種目に移ります。
とはいえ、順番は気にしていません。
ジムが混んでいれば、スクワットから始める場合もあります。
シシースクワットは大腿四頭筋の仕上げ種目として、最後に取り入れることが多いですね。
肩:バリエーションをつける
ショルダープレスに関しても、ジムの混み具合によって、バーベル・スミスマシン・マシンのどれかを選択します。特にこだわりはありません。
ただ、この記事を書いている現在は肘が痛いので、安全なスミスマシンを採用することが多いです。
サイドレイズ、フロントレイズはダンベルだったり、ケーブルだったり様々です。
A2:胸(下部)、背中(下部)、上腕二頭筋
種目 | セット数 | レップ数 |
ケーブルクロスオーバー | 4 | 12〜15 |
ディクラインプレス | 4 | 10〜12 |
ディップス | 3 | 10〜12 |
デッドリフト | 3 | 8〜10 |
Tバーロー | 4 | 10〜12 |
ケーブルロー | 4 | 10〜12 |
胸:下部をメインに
A1と同じように、まずケーブルクロスオーバーといったフライ系の種目でウォームアップをします。その後、ディクラインプレスで大胸筋の下部を狙いつつ、大胸筋全体にも刺激を与えます。
最近は、大胸筋の種目でディップスをする人は減りました。
ですが、海外のビルダーはよく採用しているんですよね。
大胸筋下部の溝を深くするのに有効です。
背中:腰の調子を見極める
私は腰にヘルニア爆弾を抱えており、日によって痛む時とそうでないときがあります。
腰の調子が良ければ、床から引く「フルデッドリフト」
悪ければ膝下あたりから引く「ハーフデッドリフト」を選択します。
関連記事:【画像で解説】ハーフデッドリフト(ラックプル)で広背筋を分厚くする方法
B2:脚(ハムストリングス、臀筋、カーフ)、肩(中後部)、上腕三頭筋
種目 | セット数 | レップ数 |
バックエクステンション | 4 | 12 |
レッグカール | 4 | 10〜12 |
ブルガリアンスクワット | 3 | 10〜12 |
カーフレイズ | 4 | 8〜10 |
ダンベルリアレイズ | 3 | 10〜12 |
リバースペックデック | 3 | 10〜12 |
ケーブルフェイスプル | 4 | 12〜15 |
ケーブルプレスダウン | 1〜2 | 12 |
ケーブルロープエクステンション | 1〜2 | 12 |
脚:臀筋(お尻)を忘れない
脚の後ろ側というと、ハムストリングスを鍛える人が多いですが、臀筋(でんきん)も忘れてはいけません。
バックエクステンションはハムストリングスを鍛える種目として有名ですが、足幅を広くすると臀筋にも刺激が入ります。
足幅を広くとり、つま先を外側に向けると大殿筋や中殿筋が働きやすくなり、おすすめです。
肩:リアデルト〜中後部をメインに
肩の後ろ側(後部)を、英語で「リアデルト(rear delt)」といいます。
B2の肩トレでは、リアデルトに加えて、リアデルトと肩の中部の中間あたりを狙って刺激します。
立体的な肩を作るには、細かく角度を変えて鍛えるのが有効です。
上腕三頭筋:少なめに
私の場合、上腕三頭筋は他の部位に比べて発達しやすく、優先していません。
とはいえ、手を抜くというわけではなく、「少ないセット数の中で全力を出す」意識でトレーニングしています。
合計2〜3セットで終わることが多いですね。
マックス
注意するポイント
追い込みすぎない
「激しい筋肉痛になるほど追い込まない」ようにします。
同じ部位のトレーニングが中3日で回ってくるため、筋肉痛になるほど追いこんでしまうと、次のトレーニングの質が落ちるのです。
それに、筋肉痛が治りきらずにトレーニングをすると、ただ筋肉を破壊するだけの作業となってしまいます。あくまでも大まかな基準ですが、筋トレの翌日に、うっすら筋肉痛になるくらいでOKです。
もし強い筋肉痛が状態でその部位が回ってきたときは、軽くパンプを溜めるくらいのトレーニングで終えてください。
適当にやるということではない
セット数が少ないからといって、手を抜いていいというわけではありません。むしろ、セット数が少ないからこそ、各レップ、各セットに全力を込めます。
そのぶん、集中力が上がり、各セットの質が格段に上がるのを感じることでしょう。
セットの順番は気にしないが、ストレッチ種目は最初にやらない
私は基本的にセットの順番は気にしません。ジムは基本的に混んでいるため、やりたい種目から始めることはほぼ不可能。気にしてもしょうがありません。
ただ、ストレッチ種目を最初にやらないようにしています。
「ストレッチ種目」とは、筋肉が伸びた状態でもっとも負荷がかかる種目をいいます。例えば、ダンベルフライやインクラインダンベルカールなどです。
最初にストレッチ種目をやってしまうと、それ以降のトレーニングで力があまり入らなくなる感覚があります。また、ストレッチ種目は負荷が大きいため、ケガの可能性が高くなるのも理由の1つです。
ただ、あくまでも私の感覚です。
ストレッチ種目から始めると調子がいいという方は、最初にやるといいでしょう。
WHルーティンで得られること
WHルーティンをやってみて、私が感じたことをまとめました。
弱点部位の改善
長年苦しんでいた、胸の強化に希望が見えてきました。
WHルーティンを始めた当初は「本当にこんなトレーニング量で発達するのか?」と疑っていました。あなたもそう思っているかもしれません。
ですが、びっくりするくらい大胸筋の反応が良くなりました。
マッスルコントロールも以前よりは改善できた感じがあります。
今では、「どうしたらもっと頻度を増やせるか?」ということを考えています。
集中力が増す
セット数が少なくなることで、「1レップも無駄にできない」と考えるようになり、集中力が上がります。
集中力が増すと、セットの後半で簡単には諦めないようになり、結果的に追い込めます。
体調を崩さなくなった
週5日トレーニングしていた頃は、常に疲れている感覚がありました。ですが、WHルーティンを取り入れてからは体調が良いです。
1日トレーニングするとオフなので、身体をしっかりと回復させてから次のトレーニングに望めます。
自分でも「回復が大事」だと偉そうに言っておきながら、回復の大切さを改めて痛感しています。
WHルーティンをおすすめしたい人
トレーニングルーティンは次のような人におすすめできます。
- 筋肉に効かせられる人
- プラトーにあたっている筋トレ中級者
- ボディビル的な身体を作りたい
- フィジーカーのような身体を作りたい
WHルーティンは、筋トレを少なくとも1、2年以上継続している人なら試してもいいかと思います。
各筋肉に効かせられる人はさらに効果は高いと思いますが、今できなくてもやっていくうちに「効かせるコツ」は掴めるでしょう。
私はボディビル的な身体を作りたいので、脚を前後に分けて細かく鍛えています。
フィジーク的な身体を作りたくて、脚はあまり重要視していないなら、脚は週1日にアレンジすればいいでしょう。
Q&A
オンとオフどちらでも使えるか
どちらでも使えます。
ただ、各部位を鍛える頻度が多くなるため、カロリー消費が増えます。どちらかといえば、減量に向いているかもしれません。
カロリー摂取はどうしたらいいのか
カロリー摂取は今と変える必要はありません。
多少の筋肉痛があっても次のトレーニングをやっていいのか
うっすらと筋肉痛が残っている場合であれば大丈夫です。
ただ、筋肉痛がとても痛く、身体が動かせないという状態であれば、その部位は休ませてください。
オーバーワークになるんじゃないか
追い込みすぎるとオーバーワークになる可能性があります。
最初は物足りないかもしれませんが、各部位で3〜4種目、それぞれ3セットを基準に始めましょう。
まとめ
今回紹介したトレーニングルーティンをまとめます。
- A1:胸(上部メイン)、背中(上部メイン)
- オフ
- B1:脚(大腿四頭筋)、肩(三角筋前部、中部)
- オフ
- A2:胸(下部メイン)、背中(下部メイン)、上腕二頭筋
- オフ
- B2:脚(ハムストリングス、臀筋、カーフ)、肩(リアメイン)、上腕三頭筋
- 追い込みすぎない
- 優先して鍛える部位を決める
- 手を抜くということではない
- 弱点部位の強化にオススメ
すべての人に、WHルーティンが有効とは思いません。
ですが長年トレーニングしてきて、プラトーにはまっていた私には効果がありました。「最近、ぜんぜん筋肉が変わらない」とお悩みの方はぜひ試してみてください。
なお、今回のルーティンを作成するにあたり、ボディビルダー「山本義隆氏」の書籍をヒントにさせていただきました。この場を借りて感謝します。