「背中のトレーニングが苦手だ」
「ぜんぜん効いている気がしない」
背中のトレーニングに苦しむ人は多くいます。
背中の筋肉をうまく動かすには、肩甲骨をコントロールすることが大切です。
そのためには、これでもかというくらい、丁寧なレップをすべき。
そこで、プロボディビルダーの「セドリック・マクミラン」の背中トレーニングがとても参考になるので、シェアしたいと思います。私が実際におこなった感想も書いておきました。
プロボディビルダー「セドリック・マクミラン」
「セドリック・マクミラン」をざっと紹介します。
- 1977年生まれ、40歳
- アメリカのIFBBプロボディビルダー
- 185cm、136kg
- 2017年アーノルドクラシック優勝者
- インスタグラム:Cedricmcmillan
まぁ、一言で表すと「バケモノ」です。
丁寧すぎる「セドリック・マクミラン」の肩トレーニングに驚いた
トレーニングに対しての考え:「”ダメージ”ではなく、”刺激”を筋肉に与える」
セドリックが主張する、トレーニングで大切な点は次の2つ。
- いろいろな角度から刺激する
- 筋肉に適切な刺激を与える
「筋肉を様々な角度から鍛えることで、立体的な体を作ることができる」
これはあらゆるボディビルダーが口を揃えて言うことですね。たとえば、背中トレーニングなら以下のように分けられます。
- 上から引くラットプルダウン系
- 前方から引くローイング系
- 下から引くローイング系
また、セドリックは「筋肉にダメージを与えるんじゃなくて、刺激することが大切なんだ」と主張しています。筋肉にダメージばかりを与えると、筋肉は自らを保護しようとして、固くなり柔軟性が欠けるそう。
「この考えをバックアップする科学的根拠はないけど、自分はそう信じてる」
なんとなく言いたいことはわかりますが、「ダメージを与える」のと「適切な刺激を与える」の具体的な違いを解説していないので、実際にはよくわかりません(笑)
彼のトレーニングを見る限りでは、筋肉をしっかりと伸び縮みさせ、ひとつひとつのレップを丁寧にするのが「適切な刺激」なのではないかと解釈しています。
それでは、セドリックの背中トレーニングを見ていきましょう!
1:バーベルロー
第一種目は背中トレーニングとしては定番の「バーベルロー」
典型的なバーベルローは上半身を30度〜45度くらいに傾けるのですが、セドリックはわりと高めの60度程度。また、背中を丸めているので「変形バーベルロー」をおこなっています。
背中を丸めると広背筋がストレッチされやすくなりますが、腰が丸まりやすくなるため、ケガにつながる恐れがあります。よって、初心者にはあまりオススメしません。経験者向けですね。
重量は両側に20kgプレートをつけて、ゆっくりとした動作でウォームアップをしています。最も重たいセットは140kg。それでもフォームがキレイで丁寧な点は注目です。
- 背中の種目はバーベルローから始める。ほとんどの場合、スミスマシンを使用する
- ゆっくりなレップスピードで、丁寧におこなう
- 4〜6レップを狙う
反動をつけて10〜12レップできるくらいのウェイトを、ゆっくりと4〜6レップおこなっています。
多くの人は、重たすぎるウェイトを使用して、反動を使ってバーベルを引いてしまいがち。セドリックも昔はそうだったそうです。
ですが、それでは適切な筋肉への刺激を得ることができず、ケガも増える。よって、レップをゆっくりにしたとのこと。筋肉をギュッと強く収縮させることができ、「適切な刺激」を得ることができます。
また、最終セットでは2回のドロップセットを使用しています。
「ドロップセット」とは、限界が来たら重量を落としてレップを続けるトレーニング方法のこと。
バーベルロー:最後のセット
- 140kg
- 100kg
- 60kg
レップ数は不明ですが、それぞれ5レップあたりを狙っているのかなという感じですね。
実際にやってみると
いやぁ、それにしてもここまでスローなバーベルローを始めて見ました・・。
私も実際にやってみたのですが、やはり難易度が高いと感じました。
というのも、背中を丸めるのでどうしても腰に負担がかかり、パンパンに張ってしまうんですね。重心の取り方を工夫すると腰への負担を回避させられますが、少々の慣れが必要です。
ただ、確かに背中にはとても効きました。
2:ラットプルダウン
2つ目はこれまた定番トレーニングの「ラットプルダウン」
しっかりと肩甲骨を上げて(挙上して)、下げている(下制)のが見て取れます。
肩甲骨の挙上(きょじょう)
肩甲骨の下制(かせい)
ラットプルダウンではこれがもっとも大切な動きです。初心者には難しいと思いますが、続けていくうちに必ずできるようになります。
- ウェイトを100%コントロールする意識を持つ。するとエネルギーをたくさん使う
- 限界が近づくとレップスピードを早めてレップ数を稼ごうとする人が多い
- 限界に近づくほど、レップをスローにする
3:【スーパーセット】ローケーブルロー&ケーブルプルオーバー(どちらも片手)
実際には「スーパーセットでおこなう」とは説明されていませんが、動画ではスーパーセットをしているように見えます。
【筋トレ】スーパーセット(Superset)とは?メリットと具体例を解説
セドリックが、限界に達してからパーシャルレップでネチネチと追い込んでいるのがわかります。2つめのアームケーブルプルオーバーでは、最初は上半身を起こして、次に上半身を約90度に倒しています。
上半身を起こしている
上半身を倒している
これもセドリックが言っている「あらゆる角度から鍛える」ということなのでしょう。
実際にやってみると
これは非常にキツかったです。ケーブル種目はトップポジション(腕を引ききったポジション)での収縮感がとても強いのが特徴なので、広背筋がよく稼働されます。
ポイントとしては、動画のセドリックのように体の軸を絶対に崩さないことです。軸がブレると”効き(負荷)”が逃げます。でもこれがキツイ。裏を返せば、効いたということなので、背中の種目でマンネリ気味の人はオススメです。
4:バックエクステンション
セドリックいわく、背中の「クリスマスツリー」を作るためにこのトレーニングをしているとのこと。
「クリスマスツリー」とは、広背筋下部あたりの筋肉を指します。その形がクリスマスツリーに似ていることから、ボディビル業界ではそう呼ばれているんですね。
セドリックは、プレートを持っておこなうバックエクステンションではなく、何も持たないタイプのバックエクステンションをしています。これまた非常に丁寧な動きで、広背筋下部をしっかりと収縮しているのが見て取れます。
ポイントとしては、脚には力を入れず、上半身だけを起こすイメージをするといいでしょう。
丁寧さは真似したい
以前の肩トレでも紹介しましたが、セドリックのトレーニングは非常に丁寧です。ウェイトをぶんぶん振り回しても効果がないわけではないのですが、ボディメイクをするならセドリックのように、丁寧なレップをするほうが圧倒的に効率が良いです。
彼の動作を完璧に真似るのは難しいですが、トレーニングへの姿勢は今すぐにでも取り入れられるのではないでしょうか。
セドリックの肩トレーニングも参考になるので、こちらも読んでみてください。