あなたはダンベルサイドレイズでしっかりと肩(詳しく言うと三角筋中部)に効かせられていますか?
トレーニング経験者でも、肩ってけっこう難しい部位だったりするんですよね。「肩だけは筋肉痛がこないんだよね」という人もいます。
私も最初はそうでしたが、「肘の動かし方」に気をつけてトレーニングをしていけば、バキバキに筋肉痛がくるようになります。
今回は「サイドレイズ系が効かない理由」と、その「解決策」についてです。
なぜサイドレイズが肩に効かないのか?
「ダンベルサイドレイズが効かない人の特徴」は以下の通りです。
- 自分が扱えない重量を扱っている
- 肩が上がってしまっている
- 手首が肘よりも上がっている
- 反動を使いすぎ
- ダンベルを降ろすときに負荷が抜けている
だいたいこの5つです。
自分のキャパ以上のウェイトを使用している
はっきり言って、このパターンが非常に多いです。しかも、トレーニングに「少し」慣れてきた人に特に多い。ダンベル20kgとかぶんぶん振り回しちゃったり。
なぜかと言うと、それはズバリ、「見栄を張っている」からです。もしかしてあなたはいま「ギクっ。俺のことかも。」と思っているのではないでしょうか?
大丈夫。私も昔はそうでした(笑)
ジムに通うと、必ず「ジムの主」みたいな上級者がどこにでもいます。そういった人はかなり重たいダンベルを使用していることが多いんですよね。
そんなジムの主を見て、「俺もあれをすればあんなに大きくなれるんだな!とにかく重たいダンベルを持てばいいんだな!」という安易な考えでマネしてしまう。
そんな考えの人が多いもんだから、「お。あいつがあのウェイトを使ってるのか。じゃあ俺はそれよりも重いものを使ってやるぜ!どうだ!すごいだろ!」というような見栄っ張りが連鎖するんですよね。
残念ですが、あなたが思っているほど、誰もあなたのことは気にしてません(笑)。
それに上級者だから重たいダンベルでも効かせられるんです。ダンベルを振り回しているように見えても、本人はむっちゃ丁寧に効かせる意識をしていることもあります。
確かに高重量を扱う人はかっこよく見えるかもしれませんが、効いていないと筋トレをしている意味がありません。
肩が上がってしまっている
肩が上がる、というのは、こういった状況を言います。
シュラッグの動作になってしまっているんですね。シュラッグは僧帽筋を鍛えるためのもので、三角筋を鍛えるための種目ではありません。
この状態はもっと細かく言うと、「肩甲骨が上がっている」んです。肩甲骨を画像のように上にあげる動作をメインにおこなうのは僧帽筋なのです。
サイドレイズをやって、「僧帽筋が筋肉痛になる」という人は、肩甲骨が上がっていないか確かめてください。
手首が肘よりも上にある
これは、こういった状態のことです。
引用:https://www.youtube.com/watch?v=PLKlz9Fk048
これは初心者に多いケースです。本来は肘が手首よりも上にきてないといけません。このフォームだと、僧帽筋と前腕の筋肉に効いていしまいます。
反動を使いすぎている
サイドレイズで反動を使うというのは、上半身を後ろに振ってダンベルを上げているときです。
確かに反動を使ってダンベルを上げるテクニック(チーティングと呼ばれる)も存在しますが、本来チーティングというのは上級者向けテクニックです。
ただ無理やりやるのは、チーティングではありません。それはケガの元です。
サイドレイズで言うと、「三角筋に効いている状態を保ったまま、上半身や下半身のバネを使ってダンベルを上げる」のがチーティングとして正解です。
ですがこれはトレーニングを何年も重ねてやっと身につく感覚なので、それまでは反動を使用しない(チーティングをしない)サイドレイズをするようにしたほうが、結局は近道になります。
最後の「ダンベルを降ろすときに負荷が抜けている」というのはこちらの記事に詳しく書いてありますので、時間があれば読んでみてください。
解決策「肘を上げることだけを意識する」
肘だけを上げる意識するのがポイントです。
ここでちょっと三角筋の解剖学図を見てみましょう。
三角筋とは、前部・中部・後部で構成されています。サイドレイズで効く部位は、三角筋のなかでも中部と呼ばれる(ピンク文字)部分です。
私はこの解剖学図を筋トレに応用するとき、「停止と起始の距離をいかに縮めるか」を意識してます。
この図で言うなら、「②停止→①三角筋中部起始」の距離をいかに収縮して短くできるか、ですね。また、これを見ると「手首はサイドレイズにあまり関係ない」ということも知ることができます。
イメージ的には、①と②に★がついているような意識をして、その★同士をできるだけ近づけるイメージをします。
動作的には、
肘を真上に釣り上げるイメージ
をすると良いでしょう。
【マメ知識】
基本的に「起始」は動かない。「停止」は起始の方向に動く。と頭に入れておきましょう。ちなみに読み方は「起始(きし)」と「停止(ていし)」です。
実は、三角筋上半身のなかで最も「体積」が多い筋肉。「いやいや、広背筋だろ?」という声も聞こえてきそうですが、広背筋は上半身のなかで最も「面積」が大きい部位なんですよね。
このように、解剖学を軽く知っているだけで自分で応用できるようになります。
解剖学と聞いて「うげっ」となるのはわかります。でも、実際は「筋肉がどんな風にできているか」を知るだけです。これ一冊読めばイメージが頭に入るのでおすすめ。
おすすめ種目 ワンハンドサイドレイズ
「どうしてもサイドレイズで肩が上がってしまう」という人は、ワンハンドサイドレイズでコツをつかむのがオススメです。
https://www.youtube.com/watch?v=jDKk3FoA824
ポイントとしては、「レイズする腕の方向に傾く」ことです。こうすることによって、姿勢的に肩が上がりにくくなります。三角筋中部にぐっと効くようになりますのでぜひやってみてください。
ダンベルの握り方は?
ダンベルの握り方ですが、薬指と小指が天井に向くようにしてみてください。どうしてかは神経的な話になって難しくなるので省きますが、こうすることで三角筋が使われやすくなります。
これ、知らない人に教えてあげるとめっちゃびっくりして喜びます。あなたの周りにグリップの握り方を知らない人がいたらドヤ顔で教えてあげてください(笑)
肩が苦手な人におすすめなルーティン
私がまだ肩が苦手だったときのルーティンです。
シーテッドサイドレイズ 3~4セット 15~20レップ
スタンディングだと足の力や上半身の振りを使いがちなので、座ることで体幹を無理やり安定させます。
また、ここで15〜20と高回数でやることによって、三角筋をパンプさせることができます。パンプさせることができればあとはもう余裕です。勝手に刺激が入るようになります。
ワンハンドサイドレイズ 3~4セット 8~10レップ
これは上記でおすすめした通りです。サイドレイズをする方向に傾くのを忘れずに。
アーノルドプレス or バックプレス 4セット 8~10レップ
どんな動作かはこちらをご覧ください。
[アーノルドプレス] 動画開始直後〜
[バックプレス] 1分11秒〜https://www.youtube.com/watch?v=ItUFDkyEjEE
これらを採用する理由は、単純にキツイからです(笑)。
上記のレイズ系2種目であなたの三角筋はパンパンになっているはずなので、あとは「うりゃー」と上げるだけ。
注意するポイントは、サイドレイズと同じです。肩甲骨を上げないようにしてください。僧帽筋がメインで効いてしまいます。紹介している動画でやっているフォームがきれいなので、マネすることをおすすめします。
ベントオーバーダンベルリアレイズ 4セット 10~12レップ
これは立ちながら(スタンディング)でも、座っても(シーテッド)でもどっちでもいいと思います。10〜12回くらいで限界がくる重さを使用して、反動は使わないようにします。
ペックデッキでリアレイズ 4セット 10~12レップ
ペックデッキマシンを使用できる環境にいれば、これは絶対にやってください。とりあえず、やるだけで三角筋後部(リア)に効きます。
コツは背中を猫背にして丸めながらやることです。ちょっと専門的に言うと、「肩甲骨を開く(外転)」ようにすると、リアに効きやすくなります。
まとめ
まとめます。
サイドレイズでは肘だけを動かす意識をする
これでひたすらトレーニングしていけば、何か必ず見えてきます。YouTubeで「(ボディビルダーの名前)shoulder」などと検索すれば、プロのボディビルダーのお手本のような動画がたくさん出てきます。私は常に見るようにして脳内でイメトレしてます。これ、けっこうオススメです。