筋トレ系のウェブサイトや雑誌を読むと、「RM」といった表記が数多く使用されています。
私が初心者の頃は、
「RMってどんな意味?」
「どの場面で使うの?」
「ややこしい計算をしなくちゃならないの?」
などと、困惑した記憶があります。
もしかしたらあなたも同じ状況に陥っているかもしれません。
そこでこの記事では、筋トレの「RM」についての疑問に、具体例を用いながら答えます。
- RMは筋トレの重量を設定するときに使う
- 難しい計算をする必要はない
- RMの種類によって、筋トレ効果は変わる
マックス
筋トレ用語「RM」の意味
まず、RMとはRepetition Maximum(レペティション・マキシマム)の略です。「あーるえむ」と読みます。英語では「ワンレップ・マックス」とも呼ばれ、文字どおり「最大反復」という意味です。
RMの意味については、例をみたほうがわかりやすいです。
- 1RM(いち・あーるえむ)
→ 1回だけ挙げることのできる重量 - 2RM(に・あーるえむ)
→ 2回だけ挙げることのできる重量
とてもシンプルですね。
なお、「RM」と、数字が特に書かれていない場合は「1RM」という意味合いで使われている場合がほとんどです。
「RM」という指標は、アマチュアトレーニーから、パワーリフティング選手、プロアスリートのトレーニングなど、いろんな場面で使われています。
では、実際にどう使われるのか?
具体的な使い方をみていきましょう。
「RM」はどんな場面で使うのか
RMは、筋トレの重量を設定するときに使います。
筋トレの教科書や雑誌、ウェブサイトなどでも頻繁に出てくる表現です。
例を見て理解していきましょう。
- 「レップ数は10RMに設定する」
→ 10回が限界の重量を使う
これは簡単ですね。
次はどうでしょうか?
- 「80%1RMの重量を使用し、8レップ、3セットおこなう」
%という表記が出てきて戸惑ったかもしれません。
これは「1RMの80%の重量を使う」という意味です。
たとえば、スクワットの1RMが100kgだった場合、その80%である80kgのウェイトを使うという意味です。
つまりこの場合、「 1回上げられるギリギリの重量の80%の重さを使い、8回・3セットする」という意味になります。
次の例も同様です。
- 「30〜40%RMを使用して、ウォームアップをする」
→ 1回上げられる重量の、30〜40%の重さを使って、ウォームアップをする
実際のトレーニングプログラムを見ると、こんなふうに書かれています。
種目 | 回数 | 重量 |
スクワット | 10 | 80%RM |
ベンチプレス | 10 | 80%RM |
まとめると、「RM」とは、自分がどんな重さを使うべきかわかる指標です。
なんとなく感覚はつかめましたか?
ここで、次のような疑問が思い浮かぶかもしれません。
「じゃあ、自分の1RMってどのくらいなんだろう?」と。
RMを求めるのは簡単です。
面倒な計算をする必要はありません。計算ツールを使いましょう。
自分のRMを計算する方法:表よりも計算ツールのほうが楽
1RMを求めたい場合、自分でややこしい計算をする必要はありません。
親切な人たちが、表や計算ツールを作ってくれています。ありがたく活用しましょう。
今回は、次のサイトを使用してRMを計算してみます。
たとえば、あなたが100kgのスクワットをギリギリで10回できるとします。その場合、次のように入力してください。
- Lift(重さ):100
- Repetitions(回数):10
※重さの単位はkgに設定
入力したら、「Calculate One Rep Max」のボタンをクリック。
すると、次のような結果が出ます。
左上に「Your one rep max is 133.3 kg」と記載されています。
つまり、あなたのスクワットの1RMは約133kgということです。簡単ですね!
このように、実際のトレーニングで1RMを計測しなくても、自分が普段しているトレーニング内容から、自分の1RMを計算することができます。
補足:スクワットやベンチプレス、デッドリフトなど、種目が違っても計算方法は同じです。
RMを活用したトレーニングセットの組み方
さきほど、「〜%RM」といった表現がでてきました。
この「%」の度合いによって、トレーニングの強度や、運動効果が変わります。
- 最大筋力アップがメインの場合:90%RM以上
- 筋肥大がメインの場合:70〜85%RM
- 筋持久力アップがメインの場合:65%RM以下
トレーニングメニューの組み方次第では、筋力アップがメインになったり、筋肥大がメインになったりします。
ただし、70〜85%RMでは筋力がまったく増えなかったり、90%RM以上で筋肥大しないのかというと、そうではありません。あくまでも、メインの目的が違うだけです。
とはいえ、筆者の経験上、筋肉を大きくしたいなら最低でも70%RMのウェイトは扱わなければならないと感じていますが…。
実際のトレーニングでは、幅広いRMを使う
実際のトレーニングでは、RMの強度はエクササイズごとに変化させるのが一般的です。
例:胸を鍛える場合
種目 | 回数 | 重量 |
ベンチプレス | 6 | 80%RM |
ダンベルフライ | 10 | 70%RM |
ケーブルクロオーバー | 12 | 60%RM |
いろんな種目や回数を取り入れて、まんべんなく鍛えるという意識を持つといいでしょう。
筋トレ初心者は何RMを使うべきか?
筋トレ初心者の場合、10〜12RMほどの重量を扱い、まずはフォームの習得に時間を割くといいと思います。
重たいウェイトを扱いたいのはわかりますが、フォームが適切でないと、長い目でみてケガの可能性が高くなったり、筋肉に正しい刺激を与えにくくなってしまいます。
筋トレ初心者がまず知っておくべき知識については次の記事で解説しています。
> 筋肉を大きくするために筋トレ初心者が最初に知っておくべきこと
ポイント:RMをあまり気にしないほうがいいことも
RMは筋トレをするうえで重要な概念ですが、RMを気にしすぎると、トレーニング強度が高くならないことがあります。
経験上、回数を意識しすぎると、どこかで力をセーブしてしまうんです。
「最近あまり成長していないなぁ」と感じたときは、RMを一旦忘れ、「限界までやるぞ!」と決めてやってみるのがおすすめです。
追い込むコツ
追い込むコツは、限界がきたときに、となりで自分が尊敬する人にののしられているイメージをするといいでしょう。
冗談ではなく、例えば私はこんなイメージをしています。
筋トレで「もう限界だ…」と思ったときに隣でシュワちゃんに「え、それしかできないの?まじ?クソダセェなお前。」と言われるイメージをするとあと2〜3レップはいける。肉体的限界より精神的限界のほうが先にくるのが人間のデフォルト設定。
(ただこれやりすぎるとケガする)— Workout Hacker🦍 (@workouthackerJP) February 22, 2019
「筋トレで「もう限界だ…」と思ったときに隣でシュワちゃんに「え、それしかできないの?まじ?クソダセェなお前。」と言われるイメージをするとあと2〜3レップはいける。」
ちょっとおかしい人ですね・・・。
なお、これをやりすぎるとケガが増えるので、やったとしてもその種目の最後のセットにすることをおすすめします。
ここでいいたいことは、「回数に限らず、もう1回もできなくなるまで追い込むことが大切ですよ」ということです。
RMを理解すると、筋トレの情報が理解できる
以上、「筋トレのRM」についてでした。
RMを理解すれば、筋トレ系の雑誌やウェブサイトに書いてあるトレーニングプログラムの内容を理解することができ、自分のトレーニングにすぐ活かせます。
これから筋トレをがっつりする予定なら、避けては通れない概念です。この機会に覚えてしまいましょう。