- プレートローディングマシンの種類
- プレートローディングマシンを使うメリット、デメリット
- 使用するときに気をつけたいポイント
ハンマーストレングスブランドをはじめとする、ジムで大人気の「プレートローディングマシン」について解説します。使い方やメリット、デメリットを正しく理解し、トレーニングに活かしましょう。
筆者プロフィール:過去にサプリメントメーカーで商品企画やマーケティングに従事。オリンピックアスリートへサプリ摂取指導の経験あり
プレートローディングマシンとは
「プレートローディングマシン」とは、プレートを筋トレマシンに乗せて、負荷をかける器具のことを指します。
引用:Hammer Strength Plate-Loaded | Life Fitness
ブランドとしては、LifeFitness社が開発する「ハンマーストレングス(Hammer Strength)」が圧倒的に有名です。
筋トレ界では、「プレートローディングマシン = ハンマーストレングス」といっても過言ではないくらい人気があります。
日本だと、ハンマーストレングス製マシンはゴールドジムに多く設置されています。しかし、別のブランドにはなりますが、最近では「エニタイムフィットネス」などの格安ジムでも見かけるようになってきました。
プレートローディングマシンの種類
引用:Hammer Strength Plate-Loaded | Life Fitness
基本的には、体の主要な部位を鍛えるマシンが多いです。
- 胸
- 背中
- 脚
- 肩
二頭筋や三頭筋など、細かい筋肉を鍛えられるタイプのプレートローディングマシンも存在はしますが、日本で見かけることはさほどありません(ゴールドジムやマニアックな個人ジムには置いてあることも)。アメリカなど海外のジムでは一般的に設置されています。
人気のプレートローディングマシンは、大胸筋や背中、肩を鍛えられるタイプ。これらの器具はエニタイムフィットネスでもよく見かけます。
プレートローディングマシンのメリット
それでは、プレートローディングマシンのメリットを見ていきます。
1. 誰でも簡単に扱える
プレートローディングマシンは、軌道があらかじめ決まっているので、自分で考えてウェイトを動かす必要がありません。
マシンの作りどおりに動かすだけで、筋肉に適切な刺激が加わるように設計されています。このことから、老若男女問わず、初心者から上級者まで、幅広く使うことができます。
2. フリーウェイトに似た負荷を安全に得ることができる
プレートローディングマシンは、フリーウェイトと、マシンのちょうど中間的な存在に位置します。
フリーウェイトを扱うように大きな刺激を得ることができ、かつマシンの特徴でもある「無茶な体勢にならない」というメリットが組み合わさっています。
3. 安全にトレーニングを追い込める
筋肉を発達させるポイントは、限界まで力を出すこと。プレートローディングマシンを使うと、関節が変な方向に曲がったりしないため、安全に筋肉を限界まで疲労させることができます。
このことから、ボディビルダーなど筋肉を極限まで追い込みたい人たちに人気があります。
4. ハンドルが左右別々に動く = 筋力のアンバランスさを解消、防ぐ
特に胸や肩、背中を鍛えるタイプのプレートローディングマシンは、左右のハンドルが別々に動きます。
左右が独立して動くため、力のアンバランスさが解消されます。
左右が同時に動く一体式だと、右や左、どちらか強いほうの腕で押しても、どちらのハンドルも動くことから、アンバランスな力配分になってしまいがちです。それを解消できるのが、プレートローディングマシンというわけです。
(左右同時に動くタイプもあります)
5. 筋肉をピンポイントで鍛えられる
プレートローディングマシンは、特定の部位を強化するのに適しています。
たとえば、フリーウェイトのベンチプレスでは胸、肩、背中、脚など全身を使います。
しかし、大胸筋を鍛えるためのプレートローディングマシンは、ほぼ胸だけをターゲットにすることができます。
見た目の改善が目的の場合に選択しやすいマシンといえるでしょう。
プレートローディングマシンのデメリット
メリットもあれば、やはりデメリットもあります。
1. 日本人の体の構造に合わない場合がある
日本にあるプレートローディングマシンは、99%が海外製品です。外国人向けの設計になっているため、体格の小さい日本人には合わないこともしばしば。
シートの高さや腕、脚の長さなど、「うわ、脚が短くて届かない…」「やりづらい…」と感じてしまうことがあります。
その場合、座る位置の調整や、バーを握る場所を自分で考えて調節する必要があります。しかし、初心者の場合は調整方法がわからないため、「すこしやりにくいけどこんなもんなのかな」と、間違ったまま使用してしまうことも。
なんかしっくりこないな、と思う場合は、トレーナーさんに方法を教えてもらいましょう。
2. 人気なのでなかなか使えないことも
プレートローディングマシンは簡単に扱えるため、使用者が多いのがデメリットのひとつ。使いたいときに使えない場合が多いんですね。
こればっかりはしょうがないので、空いている時間帯を狙ってジムに行くか、他の種目をこなしつつ、空くのを待つしかありません。
プレートローディングマシンの使用方法と注意点
プレートローディングマシンを使うときに注意したいのは、ネガティブ動作の局面で力を抜いてしまうこと。
ネガティブ動作とは、持ち上げたウェイトをおろすときのことをいいます。逆に、持ち上げることをポジティブ動作と呼びます。
- ポジティブ動作:ウェイトを持ち上げる、押す
- ネガティブ動作:ウェイトを下げる、もとに戻す、引く
プレートローディングマシンは、テコの原理でウェイトをあげやすいぶん、ウェイトを下ろすとき・もどすときに力を抜いてしまいがちです。
たとえば、ジムでよく見かけるのは、ラットプルダウンのプレートローディングマシンを使用しているときに、引くときはとても力を入れて頑張っているのに、もどすときはグワンと勢いよくもどしてしまう行為です。
なぜこの行為に注意しなければならないか。それは、筋肉の成長チャンスをみずから逃しているからです。
筋肉はネガティブ動作のほうが、ポジティブ動作よりも筋力を発揮できる仕組みになっています。また、筋肉は、より強い力を連続して発揮し、限界まで到達することで、成長します。
つまり、ネガティブ動作のときも筋肉に力を入れて耐えてあげないと、ヒッジョーにもったいないのです・・・!
プレートローディングマシンはどういった目的を持って使えばいいのか
どんな目的をもっていても、プレートローディングマシンは有効なトレーニング方法です。
スポーツのための筋トレや、ボディビルやフィジークといった見ため改善、ダイエットなど、いろんな目的を達成するのにおすすめです。
とくに、筋トレ初心者の場合、まずはウェイトを正しい軌道で動かすトレーニングをするのがおすすめです。よって、最初はプレートローディングマシンをメインにしてもOK。慣れてきたらフリーウェイトにも挑戦してみるといいでしょう。
プレートローディングマシンをどう種目に組み込めばいいか?
「絶対にこう使ったほうがいい」というルールはありませんが、基本と応用を紹介します。
※マッチョになりたい人向けの解説です。
基本的な使い方:フリーウェイトの後に使用する
まず、第一種目や第二種目には、フリーウェイトを選択するといいでしょう。筋トレのセオリーともいえるべき戦略です。
フォームが崩れない程度の重たさで、6〜8回(レップ)ほどで設定したいところ。
フリーウェイト種目を2つもこなせば、体は相当に疲れるはずです。その後、プレートローディングマシンを使うことで、安全に追い込むことができます。
応用的な使い方:苦手な部位を強化する、関節をいたわる
苦手な部位は、フリーウェイトをいくらやっても発達しないことが多々あるもの。
その場合、「第一種目にプレートローディングマシンを選択し、その後にフリーウェイトをする」という使い方がおすすめです。
たとえば筆者の場合、大胸筋が苦手で発達が遅れており、肘に慢性的な痛みがあります。
そもそもダンベルプレスやベンチプレスが得意ではないため、初めにプレートローディングマシンのチェストプレスをおこなってから、ベンチプレスをすることがよくあります。
この方法には、関節に大きな負担をかけないメリットもあります。
プレートローディングマシンで追い込むと、後半の種目では疲れてあまり重たいウェイトを扱えません。
逆にそれを利用して、軽い重量を扱いながらもフリーウェイトを扱うことで、安全にトレーニングができます。
肘、肩、腰などの関節に不安や痛みがある場合におすすめの使い方です。本当なら休むべきなのですが、筋トレ好きならあまり休みたくはないですよね…。
初心者の場合
初心者の場合は、最初からプレートローディングマシンを選択しても大丈夫です。
正しく筋肉を動かす癖をつけるのには最適なマシンなので、積極的に使うといいでしょう。
すべての種目をプレートローディングマシンで構成してもいいか?
「痩せたい」「マッチョになりたい」など、見た目の改善を目的に筋トレをするなら大丈夫です。
実際、日本のトップレベルのボディビルダーさんでもプレートローディングマシンでほぼすべてのトレーニングメニューを構成している方もいらっしゃいます。
しかし、スポーツパフォーマンスの向上が目的なら、フリーウェイトを優先させたほうがいいでしょう。
もちろん、プレートローディングマシンを取り入れてもいいですが、フリーウェイトはスポーツに直結する能力を高められるメリットがあります。
この点に関しては、「筋トレをしても競技の成果が出ない人は、何を間違えているのか? 」でお話しています。
まとめ:プレートローディングマシンのメリット、デメリット
- メリット
- 誰でも簡単に扱える
- フリーウェイトに似た負荷を安全に得ることができる
- 安全にトレーニングを追い込める
- ハンドルが左右別々に動く = 筋力のアンバランスさを解消、防ぐ
- デメリット
- 日本人の体に合わない場合も
- 人気なのでなかなか使えない
以上、「プレートローディングマシンの使い方・メリット・デメリット」でした。