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筋トレをしても競技の成果が出ない人は、何を間違えているのか?

 

あなたは、「筋トレをしているのに、スポーツの結果につながっていない」と考えたことはないでしょうか?

「筋トレをして、むしろ体が重く感じるようになった・・」
「スクワットの重量は増えたけど、足が速くなった気がしない・・」

など、筋トレをしてるのに成果を感じられなかったという経験は、スポーツ競技者なら誰でもあるはずです。

ですがその一方で、筋トレで「使える筋肉」をつけ、競技能力が向上する人が多くいるのも事実

では、どうすれば「使える筋肉」をつけることができるのか?バネがある人はどのように体を使っているのか?

そんな疑問に答えている本が、「使える筋肉・使えない筋肉(実技編)」です。
正直言って、もっと若い頃に出会いたかった本です・・。

この本では、筋トレは大きく2つに分けられています。

  1. 筋肉を大きくしたり、強くする筋トレ
  2. 身につけた筋肉をうまく使うための筋トレ

多くの競技者は前者の筋トレだけをしてしまい、筋肉をうまく使うための筋トレができていないように思います。
そのため、いくら筋トレをしても成果に繋がりにくいんですね・・・。

この本は、「スポーツで結果を出すための筋トレ」を具体的に、本質的にわかりやすく学べる本だといえます。

今回たまたま読む機会を得たので、みなさんとシェアしたいと思います。

ボディメイクの筋トレ、競技のための筋トレの違い

  • ボディメイクの筋トレ
  • スポーツパフォーマンス向上のための筋トレ

この2つは似ているようで、実は正反対のトレーニングです。

ボディメイクの筋トレ」は、基本的にゆっくりと反動をつけずにおこないます。主に筋量アップ(筋肥大)や、筋力アップが目的です。

ボディビルダーがおこなうのは主にこの部類の筋トレですね。
ジムにいると、体がごつい人ほど丁寧に、ゆっくりウェイトを上げ下げしている光景を見たことがある人もいるはず。

一方で、「パフォーマンス向上が目的の筋トレ」は、反動をつけて素早くおこなうことが多いです。
筋力アップの目的もありますが、瞬発力やスピード、筋持久力の向上を重視しています。

スポーツ選手がバーベルを担ぎながらジャンプしたり、反動をつけてダンベルを挙上(きょじょう)させているのは、パフォーマンス向上を狙っているからです。

それでは、スポーツ選手はボディメイク的な筋トレはしないほうがいいのでしょうか?

ボディメイク的な筋トレも必要

ボディメイク向けの筋トレは、スポーツ競技者は必要ないのか?
いえ、そうではありません。

理論上、筋量と筋力は基本的に比例します。
つまり、筋肉が太いほど、発揮できる筋力は大きくなるんです。

パフォーマンス向上が目的のアスリートでも、筋量を増やす時期もあります。
野球選手などがオフシーズンに体重を増やすのは、筋量を増やし、筋力を向上させる狙いがあるんですね。

問題なのは、せっかく身につけた筋肉を「使える」状態にしていないことです。

身につけた筋肉を、うまく使えるようにするには「パフォーマンス向上が目的の筋トレ」をする必要があります。

そうすることで「バネのある筋肉」をつくることができ、競技に活かすことができるんです。

筋肉をバネのように使うためには

筋肉をバネのように使うには、そのための「バネを活かした体の使い方」を身につける必要があります。
いわゆる「スポーツ万能な人」は、バネを上手に使えているのです。

では、バネとは具体的に何なのか?

それは、「」です。

腱とは、筋肉と骨をつなぐ高性能のゴムのようなものです。筋肉が収縮すると、腱を通して骨を動かします。
スポーツに適した筋肉を作るには、この「筋肉・腱・骨」の連動を良くするのがカギです。

その連動を鍛えるのに有効なのが、「反動を使ったトレーニング」です。

「反動を使う」というと、筋トレに慣れている人は「チーティング」を思い浮かべるかもしれませんが、反動を使うトレーニングの種類は様々あります。

プライオメトリクスやクイックリフトなど、「使える筋肉・使えない筋肉(実技編)」でいろいろ紹介されているので、チェックしてみるといいでしょう。

MEMO

個人的に、体の使い方が非常に上手だと思うのは、プロ野球の「大谷翔平選手」です。 193cmという恵まれた体格に加えて、しっかりとウェイトトレーニングもしている。それでいて、体中の筋肉をバネのように使えているのだから、165kmというパワプロレベルの球速が出るのも納得です。

どんなことが学べるのか

使える筋肉・使えない筋肉(実技編)」に収録されている具体的な内容です。

  • 筋肥大のためのエクササイズ、レップ数、コツ
  • 二関節筋をON・OFFにしてターゲットを変える方法
  • パフォーマンス向上のための考え方、従来の筋トレとの違い
  • 「バネ」を強化する方法
  • クイックリフトの考え方や方法
  • チーティングを使ったトレーニング方法
  • 骨盤の回転力を高めてスポーツに活かす方法

以上のように、スポーツをする人向けの内容です。

個人的に「これは!」と思ったのは、各スポーツに適したトレーニングプログラムの組み方です。
競技の種類も豊富なので、ほとんどの競技者は参考になると思います。

  • アメフト
  • ラグビー
  • 陸上(短距離)
  • 陸上(長距離)
  • 格闘技(打撃系)
  • 格闘技(組み技系)
  • バレーボール
  • バスケットボール
  • 野球
  • サッカー

陸上と格闘技と2種類で分けているあたり、さすがトレーニングに精通した著者(谷本直哉先生)だといえます。
しかも監修は筋肉博士の「石井直方」先生。こりゃもう最強タッグですね・・・。

関連「筋肉まるわかり大事典」は筋トレ解説の決定版ともいえる良書

若い競技者に読んで欲しい

専属のトレーナーがおらず、筋トレを間違いやすい高校生や大学生に見て欲しいです。もちろん、アマチュアスポーツをしている社会人にもいいでしょう。

筋トレは手軽にやりやすい分、闇雲になりがちです。結局は挫折してしまう人が跡を絶ちません。
正しい筋トレは、結果に直結します。よって、挫折することもありません。

おわりに

本のタイトルどおり、「使える筋肉」をつけるための実践方法を具体的に教えてくれる良書です。

2008年の発行と、約10年前の本にも関わらず、今の日本にはまだまだ浸透していない考え方だなぁと感じます。

「高校でバスケをやっていた頃にこの本に出会えていたら・・・」と思うと、へこみます。

私は田舎出身なので、トレーニングの専門家はほぼおらず、独学するしかありませんでした。
ですが、高校生の独学には限界があるんですよね・・。

餅は餅屋。
何事も専門家に任せるのが1番です。

▼使える筋肉・使えない筋肉 実技編

今日現在(2017/09/15)で中古本が1円なので、今のうちです。

筋トレに強い興味がある人は、理論編も読んでおくとトレーニングの幅がさらに広がるでしょう。

▼使える筋肉・使えない筋肉 理論編

筋トレを勉強するなら、次の記事も読んでみてください。

関連筋肉を大きくしたいならこれを読め!トレーニングの質を高めるのに役立った本まとめ