2016年のミスターオリンピアも終わり一段落ついたところで、オリンピア運営側が大会のスコアシート(結果表)を開示しました。
結果的に、各クラスの優勝者はほぼ圧勝といった形で終わっています。
メンズフィジーククラス
メンズフィジークのスコアシートは以下の通りです。
2016 Olympia Official Scorecard – Men’s Physique Olympia pic.twitter.com/W4yrBl8q3s
— Mr. Olympia LLC (@MrOlympiaLLC) 2016年9月22日
1位は速報ニュース通り、ジェレミーブエンディアが3連覇をしました。他の競技は優勝者が圧勝していますが、メンズフィジークだけは超接戦だったようです。
順位でポイントを見ていくと(ポイントが低いほうが勝ち)、
5.Andre Ferguson(アンドレフェルグソン)・・・25pt
4.Brandon Hendrickson(ブランドンヘンドリクセン)・・・15pt
個人的には彼の馬鹿でかい大胸筋にとても憧れます。腹筋の形も素晴らしい。
3.Jeremy Potvin(ジェレミーポビン) ・・・13pt
ジェレミーブエンディアと兄弟?ぽいです(誰か教えてください)。このウェストの細さに対しての広背筋の広がりが尋常ではありませんね・・・。
2.Ryan Terry(ライアンテリー)・・・12pt
各海外メディアを見ていると、ライアンの評価が高く、ジェレミーブエンディアよりも良かったんじゃないか?という意見も。背中もバランスよく発達しているし、外腹斜筋あたりがものすごいことになっています。
1.Jeremy Buendia(ジェレミーブエンディア)・・・11pt
3位とは2ポイント差、2位とは1ポイント差で「圧勝」という形にはなりませんでしたが、やはり完成度がものすごく高い体をしています。Vシェイプというよりはもはや「Tシェイプ」。
そして今まで気づきませんでしたが、三頭筋がとても大きいですね。リラックスポーズでの二頭筋がここまで目立つのもさすが一流選手。
トップ3が超僅差ということで、メンズフィジークは来年がとても楽しみです。
クラシックフィジーククラス
2016年から開設されたクラシックフィジーククラス。メンズフィジークとボディビルの中間に位置するような部門で、パンツもメンズフィジークのサーフパンツとボディビルのブーメランパンツの中間くらいの長さです。でかすぎても、小さすぎてもいけなく、絞りすぎてもいけないわりと健康的なクラスです。
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— Mr. Olympia LLC (@MrOlympiaLLC) 2016年9月21日
個人的にこの部門はこれから大流行すると予感しています。
5th Darrem Charles(ダレムチャールズ)・・・26pt
ダレムチャールズ選手のソロ写真がないのですが、右下の5番の彼です。大腿四頭筋にストリエーションが走っているあたり、さすがにレベルが高いですね。
4th Breon Ansley(ブロンアシュレイ)・・・19pt
4位の順位には本人も納得している様子。大腿四頭筋周りがえぐい・・・。
3rd Sadik Hadzovic(サディックハゾビック)・・・15pt
さて、2015年にはメンズフィジークに出場していた選手ですが、ミスターオリンピア以前の情報通り、クラシックフィジークに転向して出てきました。ジェレミーブエンディアに勝てないと思ったのか、それとも体をもっとボディビル寄りにしたかったのかわかりませんが、3位と上位に入り込んできました。
2nd Arash Rahbar(アラシュラーバー)・・・10pt
名前的におそらくアラブ系の選手。個人的にはノーマークの選手でしたが、すんばらしい肉体です。肩が大きく、腕も太い。足も内転筋が大きくて全身のバランスがとても良い。
見たところ若い選手ぽいんですが、来年がすごく楽しみですね。
1st Danny Hester (ダニーヘスター)・・・6pt
2位の10ptに対し、6ptと差をつけての優勝のダニーヘスター。ウェストがそこまで細くないのに優勝ということは、すべてのウェストが太いフィジーカーやビルダーに希望を与えた結果となりました。
フィジーク競技だとウェストの細さは審査の対象にもなりますからね。クラシックフィジークという名前はついていますが、やはりボディビル寄りの審査基準なのかもしれません。
いかんせん、この競技は新設されたばかりなので評価基準も曖昧で私自身もよくわかっていまえせん。
ただ、ダニーヘスターを見るとトータルバランスが非常に優れていてウェスト以外にウィークポイントが見当たりません。いわゆる「トータルパッケージ」が重要な要素になってくるのでしょう。審査まわりの事はこれからも継続して調査していきたいと思います。
来年のクラシックフィジークに期待です。ハゾビックもどこまで上がってくるか、どうなるか。
212クラス
さて、疑惑の212クラスです。アーノルドクラシックで優勝した山岸選手は6位という、おそらく誰も納得してない結果に終わりました。ネットを見ていると大荒れで、「なんで山岸が6位なんだ!」「ホセよりも良かっただろ!」という声が多数でした。
ポイントはこちら
2016 Olympia Official Scorecard – 212 Olympia pic.twitter.com/Yjzu9IyZlI
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順位的には、
5位 デイビッドヘンリー・・・24pt
1番左がデイビッドヘンリーです。今大会はめちゃくちゃコンディションが良かったデイビッドヘンリーですが、5位という結果に終わりました。本人はあまり納得がいっていない様子。個人的にもこのコンディションとセパレーションだったらもっと順位が上でも良かったのでは、という印象。
4位 エドワード(Eduardo Correa)・・・21pt
なんて読めばいいのかわからないのですが、ブラジルの選手です(写真左)。
3位 ホセレイモンド・・・15pt
Who’s your pick for the men’s 212 !?
We’ve got it on our boy @Flex_Lewis coached by @Neil_yoda_Hill !! #MrOlympia pic.twitter.com/V08XM8iGnV
— My PT Hub (@mypthub) 2016年9月17日
1番右がホセレイモンド。ごりごりの体ですが、やはり少しセパレーションに欠けます。なぜ山岸選手が彼より下の順位なんだ・・・。悔しいなぁ。
2位 ハマッドアシュカナニ・・・11pt
Who’s your pick for the men’s 212 !?
We’ve got it on our boy @Flex_Lewis coached by @Neil_yoda_Hill !! #MrOlympia pic.twitter.com/V08XM8iGnV
— My PT Hub (@mypthub) 2016年9月17日
写真中央が同選手。完全ノーマークだったハマッド選手。ビッグラミーといい、アラブ系選手が近年とても活躍しています。上半身は完璧だと思いますが、脚が課題かもしれません。それでも二頭筋のピークは素晴らしいですし、広背筋の広さにも注目です。来年が楽しみな選手。
1位 フレックスルイス・・・5pt
2位に6ptの差をつけて優勝。確かに大きさもセパレーションも素晴らしいですが、はっきり言ってなんでこんなコンディションで優勝できたか疑問です。勘違いのないように言うと、私はフレックスのファンですし、尊敬しています。確かに2015年は彼の圧勝だったと思います。
もとともそこまでヴァスキュラリティが出る選手ではありませんが、にしてもトップ5の選手の中で1番甘いコンディションでした。これで優勝なのか、と考えるとどうしても「政治的な匂い」を感じざるを得ません。実際、海外のコメントを見ていたら結構荒れてます。
来年こそはきっちり仕上げて欲しい。そしてそんなフレックスに山岸秀匡選手が勝って優勝して欲しい!
オープンボディビルクラス
結果はこちら。
2016 Olympia Official Scorecard – Open Bodybuilding pic.twitter.com/h355zwMsGl
— Mr. Olympia LLC (@MrOlympiaLLC) 2016年9月20日
トップ5の選手を見ていきたいと思います。
5位 ウィリアムボナック・・・49pt
黒人さんの特徴でもある、「丸々とした筋肉」を持っているウィリアムボナック。特に二頭筋の迫力はすごい。外側広筋の張り出しも素晴らしいし、コンディションも良い。やっぱり丸々とした筋肉はかっこいい。
4位 ビッグラミー・・・46pt
今回かなり仕上げてきたビッグラミー。ステージ上での振る舞いにも非常に余裕があり、ポージングにも迫力がありました。去年は下半身がでかすぎて上半身とのバランスが良くなかったのですが、それも改善していきています。残念ながら3位以内には入りませんでしたが、来年は本当にどうなるかわかりません。
3位 デキスタージャクソン・・・30pt
去年の2位から1つ順位が落ちて3位の結果になったデキスタージャクソン。トップ3にもなってくると体のクオリティがガラッと変わります。47歳でこんな体をキープできること自体が素晴らしい。
2位 ショーンローデン・・・25pt
Left – Shawn Rhoden – 2nd place
Right – Phil Heath – 1st place pic.twitter.com/C7fOg3Le5a
— Bodybuilder Probs (@JackedProbz) 2016年9月19日
ショーンローデン、惜しかった・・・。やはりウェストが細く、全身のバランスが最高に良いです。唯一の弱点は背中でしょうか。背中がもっと改善されたら来年こそはフィルヒースの牙城を崩してくれるはず!
優勝 フィルヒース(6連覇)・・・10pt
振り返ってみると、結局フィルヒースの圧勝でした。去年は少し甘かったのが今年はきっちりと仕上げてきています。ショーンに比べるとウェストは太いですが、それにしてもトータルパッケージで見ると最強ですね。
これで彼はミスターオリンピア6連覇。最高記録はリー・ヘイニーとロニー・コールマンの8連覇。フィルは10連覇を目標にしているそうなので、このまま毎年しっかりインプルーブして、きっちりと仕上げていけば10連覇は達成するんじゃないかなーという感じです。
まとめ
気がつくとこんなに長い記事になりました。来年も楽しみですが、今週末には韓国でのオリンピアGPが開催されます。そこに山岸選手も出場されるとのことで、パソコンにかじりつきながらこの週末を過ごすことになりそうです。
現場からは以上です。
【追記 2017/09/21】
ミスターオリンピア2017の結果は以下よりご覧ください。