腕の筋肉は低重量、高回数トレーニングがいいのか?それとも高重量で少ない回数のほうがいいのか?
腕を太くしたいトレーニーは気になるところ。
この記事では、「腕の筋トレは低重量、インターバル短めのほうが太くなった」という研究結果を紹介します。
研究:トレーニング内容
今回参考にしたのはこちらの資料。日本体育大学の先生がおこなった研究です。
被験者は経験あるトレーニー20人。よくある筋トレ初心者を対象にした研究ではありません。被験者は8週間、下記のトレーニングを週3回、各3セットおこないました。
- バーベルカール
- プリーチャーカール
- ハンマーカール
- クロースグリップベンチプレス
- オーバーヘッドバーベルトライセップスエクステンション
- ダンベルエクステンション
それぞれのエクササイズテンポは「201」を採用。
2秒かけてウェイトを下ろして、ボトムポジション(ウェイトを下げきった場所)では止めずに0秒で切り返し、1秒かけてウェイトを上げます。
- 2秒かけて下ろす
- 下ろしきったらすぐに切り返す
- 1秒かけてウェイトを上げる
そして、レップ数が多く休憩が短い「ハイレップグループ」と、レップ数が少なく休憩が長い「ロウレップグループ」に分けました。
グループ | レップ数 | 休憩時間 |
ハイレップ | 20RM | 30秒 |
ロウレップ | 8RM | 3分 |
※20RM:20回が限界の重量
20RMもしくは8RMをクリアしたら、ウェイトを10%増やしました。
結果:ハイレップグループのほうが腕が太くなった
上記のトレーニングを8週間続けた結果、ハイレップグループはロウレップグループに比べて腕が 太くなりました。腕の筋断面積を計測したところ、ハイレップグループは4.86%、ロウレップグループは3.0%ほど増えたようです。
その他に、ハイレップグループでは成長ホルモンが多く出ましたが、それが筋肥大につながったかどうかはわかりませんでした。研究ではむしろ、「成長ホルモンの分泌は筋肥大に直結するとは限らない」と結論づけています。これはここ最近で判明した筋トレ業界の誤解のひとつです。
どう自分のトレーニングに応用するか?
今回のポイントを整理します。
- 20RM、休憩30秒のほうが腕は太くなりやすい
- 成長ホルモンの分泌が筋肥大に直結するとは限らない
「じゃあ腕はハイレップだけやっていればいいんだ!」
と思っている方、ちょっとお待ちください。
これはあくまでもひとつの研究結果です。
たしかに、「腕の筋肉はハイレップトレーニングのほうが太くなりやすい」のは定説です。
しかし、筋肥大だけがトレーニングではありません。スポーツをするなら、筋力アップも必要です。筋力を伸ばすなら、やはり高重量トレーニングも取り入れていくべきでしょう。
「この時期は筋力アップ」「この時期は筋肥大」など、時期ごとに筋肉への刺激を変えるのがセオリーです。
また、この研究では週3日の高頻度で腕トレをしていますが、実際に筋トレ分割をする場合、腕に割ける日数は多くても週に2日が限度でしょう。背中や肩、胸の日でも腕に刺激が入るため、オーバーワークにならないように注意です。
成長ホルモンは筋肥大よりも脂肪燃焼と強い関連性(研究)があるので、減量時期にはハイレップトレーニングに切り替えてもいいかもしれません。
参考:
・Effects of rest intervals and training loads on metabolic stress and muscle hypertrophy. – PubMed – NCBI
・Low-dose growth hormone treatment with diet restriction accelerates body fat loss, exerts anabolic effect and improves growth hormone secretory dys… – PubMed – NCBI
・Tip: Try This Weird Rep-Rest Scheme For Arms | T Nation