以前、LAニュートリション(アメリカのサプリメントメーカー)の堀江社長のメルマガを読んでてぶったまげました。
なんと、
日本がコレステロールの上限値を「科学的根拠がない」として撤廃した
というです。これはつまり、
食事でいくらコレステロールを取っても、血中のコレステロール値には何も関係ないよ
って認めたってこと。これ、めっちゃくちゃすごい話題なんですが、日本ではあまり話題になりませんでした。ですが、これはアメリカも認めている事実です。
体づくりのために卵をたくさん食べている人は、もう安心しても大丈夫です。
【健康の指針】食事コレステロールもう気にしなくていい?「血中濃度と無関係」厚労省は抑制目標値「撤廃」| 産経ニュース
コレステロールについて最低限知っておくべきこと
コレステロールについて知っている人は飛ばしてもらって結構です。
コレステロールには、善玉・悪玉の2種類がある
まず、コレステロールには2種類あります。善玉コレステロール(HDL)と、悪玉コレステロール(LDL)と呼ばれるものです。
悪玉コレステロール(LDL)・・・血中に流れる悪い成分。これが血中にたくさんあると、血流を詰まらせて、いわゆる動脈硬化を引きを起こす元凶になります。
善玉コレステロール(HDL)・・・良い成分。悪玉コレステロールを血中で回収する、パトロール役みたいなコレステロールのことをいいます。
一般的に、LDLよりHDLが血中に多いほうが理想的、ということになっています。コレステロールが入っている食事とは、お肉や乳製品がメイン。ちなみにアザラシの肉を生で食べるイヌイット(エスキモー)たちの血液はHDLが多くてサラサラだそうです。
「アザラシの肉にはαリノレン酸という、体にとても良い脂肪が入っているからだ」という説が今のところ有効ですね。
コレステロール神話の崩壊
いつも本当に勉強にさせてもらっている堀江社長(LAニュートリション)のメルマガをちょこっと引用させていただきます。
2015年5月1日、日本動脈硬化学会は「
食事で体内のコレステロール値は大きく変わらない」 と発表したそうです。 えええ?! 本当の事言っちゃって良いんでしょうか?
先日、
米国で食事から摂るコレステロール上限の撤廃が発表されたばかり ですが、これを受けたのか受けていないのか、 期を同じくして日本も撤廃! 昔から、
卵の白身ばかりを食べるボディビルダーはアホだと言っている人は 一部にいましたが、全体として「コレステロール神話」 による洗脳が続いている状態でしたので、 特に他人に同調を求めることはありませんでしたね。 アレルギーの問題と一緒で、
コレステロールを一定以上摂ると健康状態が悪くなる人は抑えまし ょう 、というだけのことです。LIVE HARD NEWSLETTER MAY 2015, Vol. 146
ということです。つまり、コレステロールだけが社会的に悪者にされていたけど、ホコリアレルギーみたいなもので、苦手なら避ければいいだけ。健康にはさほど影響はないってことです。
ちなみにググってみたら、日経新聞、毎日新聞、産経新聞などが取り扱っていました。
毎日新聞はこんな風に報道してます。
取りすぎると動脈硬化などを招くとして悪者扱いされてきたコレステロールについて、日本動脈硬化学会(佐藤靖史理事長)は1日、「食事で体内のコレステロール値は大きく変わらない」との声明を発表した。厚生労働省も今年、5年ぶりに改定された「食事摂取基準」で、コレステロールの基準を撤廃しており、これを容認した形だ。動脈硬化予防には食事だけでなく、生活習慣や運動など包括的な対策が大切だとしている。
そして、産経新聞はこれ
厚生労働省は今年4月改訂の「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で、これまで成人は男750ミリグラム、女600ミリグラムを上限としていた食事からのコレステロールの目標量を撤廃した。
撤廃について、厚労省栄養指導室は「目標量を設定するのに十分な科学的根拠が得られなかったため」と説明する。
血中コレステロールの7~8割は体内で作られ、食事の影響はもともと少ない。また、コレステロールの摂取量が多ければ体内で作る量が減らされ、逆に摂取量が少なければ体内でたくさん作られるというように、血液中の量を体がコントロールしていることが分かっている。
今年から厚生労働省が食事摂取基準を変えました。
上限の数値を設定しなかったのは、科学的根拠がなかったからです。厚生労働省がここまで言ってるので、大丈夫。
食事で取るコレステロールが血中のコレステロールに関係ないとしたら、一体なぜ体内のコレステロール値(悪玉)が高くなるのかというと、コレステロールの7〜8割は体内で作られるからなんですね。
世の中のコレステロール制限をされているお父さん、これを奥さんに見せつけてやりましょう。
「卵は1日1個まで」というルールは、もはや過去の知識になりましたと。
日本動脈硬化学会も認めている
いちおう、裏もとっておこうと思い、日本動脈硬化学会のHPも見ておきました。ページ全面にでかでかと掲載されてましたよ。
全文は長いので、抜粋してます。
コレステロール摂取量に関する声明
日本動脈硬化学会
2015年5月1日2013年秋にアメリカ心臓病関係の学会であるACC/AHAが、生活改善のためのガイドライン「心血管疾患リスク低減のための生活習慣マネジメントのガイドライン」を発表した[2]。そこで、「コレステロール摂取量を減らして血中コレステロール値が低下するかどうか判定する証拠が数字として出せないことからコレステロールの摂取制限を設けない」との見解が出された。
つまり、「食事から摂取するコレステロール量と、血中に発生するコレステロール量は比例しない」ってことなんですね。
さらに続きます。
ただし、このことが高LDLコレステロール血症患者にも当てはまる訳ではないことに注意する必要がある。
日本動脈硬化学会は、まず動脈硬化性疾患へのリスクを正確に評価し、それに沿ってリスクを減らすような生活習慣を改善する包括的管理が大切であることを動脈硬化性疾患予防ガイドライン2012において提唱している[5]。この考え方は、ACC/AHAガイドラインの脂質に関する生活習慣マネジメントと一致するところである[2]。高値となった血中LDLコレステロールを減らすためには、生活習慣、運動、食事など包括的に修正することが大切であり、コレステロール摂取のみを制限しても改善はほとんど期待できない。特に摂取する脂質に焦点を当てる場合、コレステロールだけではなく、脂肪酸のバランスに留意することが大切である。
ただし、「もともとLDLコレステロール値が高い人の場合だと、やっぱり注意したほうがいいよ!」ということです。そして、
「食事からのコレステロール摂取だけを減らしても意味はないよ」
とまで言い切ってます。これには私も同意。やっぱり大切なのは運動なんですよ。なぜかと言うと、
- 運動をすると中性脂肪が分解される
- 善玉コレステロール(HDL)が血中に増える
- 悪玉コレステロールが血中から減る
ということが研究によって明らかにされているからなんですね。
昨今の日本人のコレステロール値が高い理由は、単純に運動してないだけなのでは?と個人的に思っています。
おわりに
「やっと認めてくれたか」というのが私の感想ですね。
私自身、1日10個の卵をほぼ毎日食べてても、健康診断ではコレステロール値に問題はありませんでした。
このことから、「絶対に摂取コレステロールと血中コレステロールは関係ない」と体感してたのでホッとしましたね。
ということで、「1日にたくさん卵食べてるんだけど、実際大丈夫なんだろうか」と思っていたトレーニーは安心しても良いでしょう(病気じゃない限り)